1.海、2.喫茶店、ツンデレ
①海
夏の太陽と共に、日差しが青い海に反射して眩しい。
横に居た女の子は浮き輪を持ちながら、海に入った。「若いっていいな」僕はそう呟きながら少女を見つめていた。
周りを見渡すとカップル連れや家族連れが多かった。僕は人混みが嫌いなのだが。僕は海に入らず、海を見つめながら、「僕も昔は夜になるまで遊んだっけ。夏の海を」
僕は少年時代の楽しかった日々を思い出しながらも、この場所には似合わないため息を吐きながら、寝転がった。瞳を閉じた。その時、顔に水滴が落ちた。
「何寝てんのよ。ここに連れて来たのはあなたでしょ。責任とって一緒に海に入りなさい」
少女だった。僕は鼻で笑いながらも、「後悔するなよ」そう少女につぶやいて彼女と海に入った。
今はトンネルから抜け出した。そう思いながらも。
②喫茶店
僕は喫茶店に入り、窓際の席に座った。カウンター近くにはマスターっぽい髭の生えた店員と金髪、ツインテールの女の子がオーダーを取っていた。
人が空いていながらも、バタバタしている姿を見ると新人ぽい感じだった。それを僕は初々しく見ながら、ニヤリと笑った。
僕は注文するためにツインテールの女の子を呼んだ。
「ご来店ありがとうございます。本日は、ツンデレ、ドジっ子、M娘とございますが、どうなされますか?」
その瞬間、僕は周りを見渡して、普通の喫茶店でない事を確認し、「なんか分からないけど、それじゃツンデレで」と答えた。
そう言ったら彼女はツインテールの髪を解き、髪をおろし、「お仕事モードオン」と僕に聞こえるように言った。
「な、なんであんたきたのよ。まあ良いわ。せっかくなんだし何か頼みなさいよ。はぁ選べって言うの、仕方ないわね。今回だけだからね」
「うん。良い」僕はぼそりと声が出てしまった。彼女には魅了する力があるみたいだ。心に何かときめくものがあった。
それにカウンターに居たマスターぽい人が親指を立ててこっちを見ている。あの人もときめいたのだろうか。
僕自身、勘違いをしてしまっていた。ここに踏み込んだのが最大の原因か。僕は彼女のギャップに心を打たれたみたいだ。彼女というモンスターに。