お狐幼女になった僕が、神社再建をした話③
「それじゃ任せたぞ」
そう言い、子狐は神殿の奥に入って行った。
「……全部任せかよ」
そうボロっと口にするが、何も反応はなかった。
一つため息を吐き、僕は外に出た。
外を見渡すと、石段には汚れた跡があり、参道には枯葉や木の枝が散乱していた。やねの瓦も所々割れている箇所もあり、汚れが目立って居た。
「我ながら骨が折れそうだ」
綺麗なのは鳥居だけかよ。今まで気づかなかった僕も大概だな。
僕はほうきを手に取り、外をはき出した。
「…………」
なんだろう。どこかしら、気配を感じる。獲物を狙っているかのようだ。
身の安全が確保出来ない今、僕は震えてきた。本能だろうか?
「人間?なぜこんな所に人間がいるのニャン」
僕は木の上から声が聞こえてきたので、見上げた。すると小狐と同じ背丈で、頭に猫耳が生えた少女?が僕をじっと見つめていた。
雰囲気はニャンと想像できる動物少女だ。くりっとした目、ほっぺの左右には3つのヒゲが生えていて、尻尾には尻尾が生えていた。
白装束の衣装をきた少女?の白くて長い髪が、満月の月明かりで輝いていた。
僕は目を閉じて、手でまぶたを隠しながら、声を上げた。
「おっおい、見えてるぞ。白いパンツが」
ニャンと語尾をつける少女?は鼻で笑いながら、腕組みをしている。
「ニャハハ、見えてる?フッ、見せてんのニャン!!」
シュッと下に降りてきた。おい2階ほどの高さがあったぞ。
少女?は僕を見つめ、ペロリと舌を舐めた。
「ふーん。君、可愛いニャ」
僕に近づいて、クンクンと首まわりの匂いを嗅いでくる。くすぐったい、抵抗しようにも、なぜか出来ない。
「とっても美味しそうだニャン」
僕の手を握りながら、ペロリと舐めてきた。
「や、やめろ、く、くっころ……」
「何をやっとるのじゃお前らは」
ため息を吐いて、子狐が僕を見た。すかさず、少女?は僕から離れた。続けて子狐が、
「あいつの姿は女っぽいが、中身は前の猫の神と契約した落ち武者、おっさんじゃぞ」
そう述べやがった。
「…………」
僕は何とも言えない気分になった。待て、さっぱりわからん。契約?こいつがおっさん?そんなはずは……、こんな可愛らしい少女が。
「バレたらしゃあにゃいニャン。契約してからというものの、語尾もニャンとつけないといけないニャン」
「ク、クソがー!!」
そう姿は少女、中身はおっさんの猫少女?は、真顔でそう述べた瞬間、僕の何かが砕け散った。
風景描写を意識して書きました!!上手く書けてれば良いですが……。
次は何の描写を意識して書こうかな(*´ω`*)