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2-3 銀河疾風別にさすらわないけどさ

 さかのぼる事5分前、雷は意気揚々と執事服を着て学園指定カバンを持って岩崎家を出た。

 もちろん白夢も一緒で、学園の制服を着て魅衣奈にポニーテールにしてもらって岩崎家を出る。制服は全体的に青く、スカーフは黄色かった。

 そして今、二人が居る場所は…

「なんで電車?」

 駅のホームである。

「ハッハッハ。私はいつも電車だぞ、もしかしてリムジン登校とか夢見てたんじゃなだろうな?」

「正直に言えばそうなるが、想像と違うような…」

「他の生徒はほとんど車だ。私達みたいに電車とかは少ないだろうな」

「んじゃなんで電車なんだよ」

 素朴な疑問。それを白夢は即答する。

「楽しそうだからだッ!」

「…お前らしいよ」

 白夢はハッハッハと笑いながら改札口を出る。雷はその後に続いた。




 しばらくすると、電車を降りて徒歩で学園へ向かっていく。

 その歩いている中で雷は何かを思い出してそれを白夢に聞き出す。

「なぁ、お前の行っている学園ってなんだ?」

 その質問に、白夢は平常心で答える。

「零弓学園、聞いたことはあるだろう」

「えぇぇっぇええー!?零弓学園!?」

 雷は驚いたように声を張り上げる。

「そんなにも驚くことはないであろう」

「驚くも何も零弓学園つったらどっかの世界でも上位レベルの財閥が建てた学園じゃねえか!資産も半端ないらしいが…」

「うむ、そうだ。ま、そんなにほど驚くことでもないであろうハッハッハ」

「俺が行って大丈夫なのかよ…」

「大丈夫、すぐ慣れる」

「はぁ…」

 雷は白夢の簡単な回答にため息をついた。白夢はまた笑った。

 そんなことをしていると

「お、着いたぞ」

 白夢が立ち止まり、雷に報告した。零弓学園の校門前である。

「…噂に聞いたが…でかいなぁオイ…」

 雷は感嘆の息を漏らす。

「あぁ、例えるならば○軒島くらいはあるな」

「広ッ!零弓広ッ!」

「ハッハッハ、嘘だ嘘だ」

 

 そのような感じで雷と白夢は話を続けていた。すると、後ろから不意に声が

「お!白夢の姐さんやぁないかぁ〜。今日も綺麗やでぇ」

 振り向いてみると、何やら執事服を着て、学園指定カバンを持った関西弁の少年が立っていた。雷達と同じ年齢だろう。

 そして、その少年は白夢のよこできょとんとしている雷に気がついた。

「ん?そこの貧相な顔した奴は何や?」

「貧相は余計だ!」

「あぁ、こいつは私の近衛執事の明坂雷だ。今日から零弓に入学する」

 少年はなるほどといった顔で手をポンとする。

「ほな納得いったでぇ、今日からよろしゅうしてや」

 少年は笑顔で雷に言う。そしてはっと気づいた顔をして

「自己紹介が遅れてもうた。俺は西の殺し屋、スナイパーガン○や…」

 少年はフフフと声を漏らして格好いい(と思っている)顔で言う。

 しかし、そこで少年の後ろから何かが飛んできて、それが少年の後頭部に激突する。

「ぐはぁぁぁああッッ!」

 少年はありきたりな台詞を叫んで前方に吹っ飛ばされる。雷は少年に激突したのは何だろうかと少年の方を見ずに確認しようとした。

 すると白夢と同じ制服で、髪は若干長く茶色、背丈が少し小さい少女が立っていた。

「っっ…なんやでぇ姐さぁん、朝っぱらから本気のツッコミはないでぇ。勘弁してや〜」

 少年が頭を痛そうに抑えながら少女にそう言った。少女は呆れたようにため息をついた。

「ちょっとは黙るってこと…知らないの?」

「じゃあなんや、西の名探偵の方がよかったんか。姐さんはそっち派か!」

 すると少女はもう一度少年を蹴る。少年はまた吹っ飛ぶ。

 少女が倒れている少年の方へスタスタと歩いていき、こう呟いた。

「その名探偵でも解けないような密室怪奇殺人事件でも起こそうか…?」

「ひぃん、勘弁やぁあああ!」

「ふざけるのはそれぐらいにしておけ、剣樹。水連には止め金がないことくらいお前なら知っているだろう?」

 白夢が二人の間に割って入り込み、平和干渉を行う。白夢になだめられて剣樹と呼ばれた少年はとりあえず立ち上がった。

「つつつ…姐さんはほんま手加減ないでぇ…」

「もう一度言うとどうなるかな…?」

「いやぁん!やめてーなぁ!」

「まったく…」

 すると水連と呼ばれた少女はきょとんとしている雷の存在に気づいた。

「あぁ。ごめんね、うちの馬鹿はいつもこんなんなんだ。君もこいつと同じ近衛執事? だったら白夢の近衛執事かな」

 数発か殴られてのびている剣樹を指で指しつつそう言った。

「あ、あぁ…明坂雷だ」

「初めましてだね。僕は妖霊水連(ヨウレイスイレン)。そしてこっちは神本剣樹(カミモトケンキ)だよ」

 ぐったりとしている剣樹を持ち上げてそう言った。

「今日から霊弓に?同じクラスみたいだからよろしくね」

 そう付け足した後剣樹を降ろした。剣樹はもう一度立ち上がる。

「これからよろしくなぁ〜。俺のことは浪速の剣ちゃんと呼んでくれや」

「…」

「あぁん!無視せんといてぇん!」

 

 そうして四人で話していると後ろから声。

「あら?どうしましたの、こんなに集まって?」

 水連達の時と同じように後ろを見てみると、金髪で瞳が青く日本人ではないと思われるこれまた白夢と同じ制服を着ている少女が居た。

 その少し後ろに執事服を着て髪が黒く、瞳の色が水色の少年が立っていた。こちらはどうやら日本人のようだ。

「初めまして…、自分は守人駸邪(モリヒトシンヤ)と申します。こちらは…」

 駸邪と名乗った少年は主と思われる少女を紹介しようとした。

 しかし少女はそれを制し、駸邪は後ろに下がった。

「私はキャリン・ゴイルでしてよ。そこの貧相な顔をした殿方は誰ですの?」

「ひんっ…」

 雷が貧相と言われたことで少しいらついたが、それを白夢が制する。

「あぁ、この馬鹿は略」

「略すなぁぁぁぁぁぁあああぁぁッッ!」

「あらあら…活気があるのはよいこと、しかしうるさいのは癇に障りますわね…」

「うわぁぁん…」

 キャリンと名乗った少女に被爆され、それを白夢が追撃するといった八方塞の雷。

 そんな雷を見て剣樹はニヤニヤしている。

 

 そしてまた、後ろから声が

「ん…?なんだなんだ、今日は井戸端会議でもあるのか。井戸じゃないが…何やら新顔もいるな」

 雷が振り向いてみると身長は平均的、髪と眼が茶色な少年が居る。

 そしてそのすぐ横に少女が立っていた。

「んー…どういうことだろね…」

 少女はきょとんとしている。少年は白夢と雷の方を見る。

 少年は白夢の方へ目を向けて

「あぁ…噂のお前の近衛執事か。ふんふん…」

「うむ。まぁ…互いに自己紹介でもしておけ、もちろん美由もだぞ」

 先程から雷の周りをトコトコと歩いている少女を呼んだ。

 少年は雷の方へ一歩前へ出て

「俺は四季守悠矢(シキモリユウヤ)だ。今後よろしくな、白夢とは仕事上での知り合いだ」

「私は京谷美由(キョウタニミユ)よ。こっちもよろしくね!」

 美由と名乗った少女も、雷へ自己紹介をする。

「あー…俺は明坂雷だ。まぁ…こっちもよろしく」

 雷は少し照れながら自分も自己紹介をした。

 

 悠矢と名乗った少年は雷へ自己紹介を終えた後、白夢の方へ歩いていく。

 悠矢は白夢に「耳を貸せ」と一言言い、白夢は耳を寄せる。

「今日は“あいつ”は来てないだろうな…」

 周りには聞こえないように小さく言う。白夢は微笑して

「あぁ。“今”は、な」

 その白夢の答えに対して悠矢は頭を抱える。

「…まあ来ても来なくてもどっちでもいいんだが…」

「ハッハッハ」

 雷はその間、美由達にいじられていた。

「ほな、そろそろ時間やでぇ。雷は職員室で担任のところへ行ってやぁ」

 剣樹が腕時計を見ながらそう言った。雷はそれに頷いて白夢と一緒に校門に入る。

「いんやー…中々骨がありそうなやっちゃなぁ…。なぁ?悠矢の旦那さん」

 雷達が見えなくなると剣樹は悠矢に話しかけた。

「その呼び方をやめろ。前半には同意だがな」

「いっひっひ。気をつけまっすー」

「お二人方、そろそろ私達も行きますわよ。グズグズしないで」

「「あいあいさー」」




「あぁ、君が明坂雷ね。はいはい、じゃ教室行こうか」

「ちょっ!流石に進行速度速すぎません!?」

 今、雷が居る場所は零弓学園の職員室である。白夢達はすでに教室だ。

 雷の目の前に居るのは担任である。

「私は光井沙里(ミツイサリ)君のクラスの担任で」

「脈絡の欠片もない!」

「ああうるさいなぁ…。たりぃってーの…、じゃ私は先行ってるから」

「えぇぇぇぇえ…」

 光井は雷を残して職員室を出て行った。雷は当然ながらきょとんとしている。

「ま、まぁ…教室に行けばいいんだよな…。Bクラスでいいんだよな…」

 場所を確認しながら職員室を出て行った。



「あー、朝のホームルームとかだるい…」

「先生、口に出てますよ」

「小鳥のさえずりよ、気にしないで」

 光井が居るのは1-B教室。ちなみに雷は扉の向こうに居る。

「今日は転校生が居る。だるっ…」

「どんな人ですかぁ、先生〜」

 ある生徒が光井に聞いた。

「ん…例えるならあれね、ウィ○・スミス」

(すごっ!俺凄すぎ!)

「ざわ…ざわ…」

「んじゃ、入ってー。だっるっ…」

 ハードルをことごとく上げられて翻弄している雷をいざ知らず、光井は気だるそうに入室させるようにした。もちろん雷は立ち往生。

 雷は意を決し、教室の扉を開ける。

 先程までざわざわしていた教室は一気に静まり返った。

 雷は教卓の前に行き

「明坂雷です。えーっと知ってる方も居ると思いますがこのクラスの岩崎白夢の近衛執事をしています。あ、ちなみにウィ○・スミス主演の映画は好きですよ」(っと…普通にやってみたわけだが…)

 しかし、心配している雷とは裏腹に、さっきまでは静まり返っていた教室も賑やかになる。

「へぇ…」「近衛執事ってこのクラスじゃ神本くらいじゃなかったか?」「すごーい!」


「あーあー…んじゃ席はあそこね」

 光井が窓際の方の空いている席を指差した。その席の前に居るのは

「神本ー、よろしく頼んだ」

「いえっさーやでぇ」

 剣樹が手を振りながら返事をした。

「げ…」

 雷は咄嗟に口から声を出す。

「口に出とる口に出とる…」

 剣樹はげんなりした口調でツッコんだ。

「あー、じゃホームルーム終わり。あとは適当にねー。あーだる…」

 光井はだるそうに扉を開けて教室を出て行った。

 すぐに生徒は雷の方へと集まる。

「好きな映画は?」「好きな食べ物は?」「好きな小説は?」「好きな動物は?」「血液型は?」

 などなどと次々と質問が寄せられていた。雷はそれになんとか答えていく。

 その状況の中、誰かが声を出す。

「ハッハッハ、雷は実はゴニョゴニョ・・・」

「え…マジかよ…?」

「くぉらぁ!白夢ぅ!」

 生徒の誰かにゴニョゴニョと囁いた白夢を雷はすかさず遮る。

「あぁ…そろそろ時間だな…。席に戻ろうか…」

「てんめぇぇぇぇぇええ!」

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