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2-2 幼い時はなんでも初めてだが歳を重ねるとループしていることに気づく

「ところで、雹嘉といっていたあの子は…?」

 敏に促され仕事に戻った雷は、先程来ていた雹嘉のことを聞き出していた。

「雹嘉お嬢様は煉園家のご子息でいらっしゃる。白夢お嬢様のクラスメイトでもある、まぁまたお前も雹嘉お嬢様と対面する機会はあるだろう」

「へぇ、ありがとうございました」

 雷は頷きつつ礼を言った。敏はそれを微笑で返し

「これくらいじゃ先輩は務まらないものさ。さ、御夕食の準備だ」

 そして執事としての仕事に入っていった、雷もそれに付いて行く。



  



 …夕食の準備、配膳が終了し一日の仕事のほとんどを終えてほっと一息をつく使用人達。

 白夢が住んでいる屋敷の方へシフトしている者はあまり居らず、夜中も仕事に仕える者は敏に魅衣奈に使用人長。そして雷くらいである。

 もっとも、白夢の両親は仕事に追われていてあまりこちらのほうへ帰ることができない。よって使用人の数もそれに比例している。

 白夢の屋敷に夜中まで仕事をしている面々は屋敷の下宿部屋で泊り込みの仕事をする。普通の人並の生活を送るには不備のない仕事だ。

 雷はこの後、使用人長への挨拶を済ませなければならない。



「うわァ…ヤバい、緊張してきた…」

 いま雷が居る場所は先程話した使用人長の部屋の前である。そこでまるで凍りついたかのように硬直しているのであった。

 そして、ようやく意を決してコンコンとノックをする。

「君が新入りの近衛執事ね、入っていいわよ」

 今の雷には圧迫感極まりない声で入室を許す使用人長。しかも女性という意外な状況に雷は緊張を重ねた。

 そして、扉を開けたその時

「のぅわあ!」

 雷から見るとちょうど真ん前から箒が飛び出してきた。雷はそれを何とかかわす。…だが避けたは避けたものの、次の箒が飛び出してくる。

 これを約12回ほど繰り返し、ようやくそれが終わる。

「ぜぇ…ぜぇ…けほっ…」

 雷はその全てを避けきり、ぜぇぜぇと声を荒げている。

「へぇ、なかなかやるわね。雷君…だったかしら?」

 使用人長と見られるメイド服を着たけっこう若い女性は笑顔で雷に問う。

「うん、合格よ。さすが白夢嬢様が選ばれた近衛執事ね……」

「ちょ、その前に水…貰え…ますか…」

 使用人長はクスクスと笑いながら水を持ってきた。雷はそれを丁寧に受け取って飲んだ。

「あのっ…名前をお伺いしても…いいですか…」

 まだ疲れが残っているが、雷は使用人長の名前を尋ねる。使用人長はそれを受け入れて

「私は霧沙、西河霧沙(ニシカワキリサ)よ。ここ岩崎家の使用人長をしているわ」

 霧沙は雷に言われたとおり、自分の名前を名乗った。

「わ、分かりました。ありがとうございます」

 雷は少しだけ照れながら名前を名乗ったことに対して礼を言った。

「クスクス。さぁここで質問よ、私がいくつに見えるかしら?」

「えぇぇぇえ………」

 明坂雷15歳男子、明日から高校一年生。その齢にて、最高の難問を上司に問われる。

 雷は少し考えた後

「に、二十歳…前半ですかね…」

 危なくもなく、微妙なラインを引いた雷。挙動不審な雷に対して霧沙はまたクスッと笑う。

「クスクス。17歳、明日から高校三年生よ。どう? 驚いた?」

「えぇぇぇぇえッッ!?」

「ちなみに白夢嬢様と同じ学園よ」

「えぇぇっぇぇええええッッ!?」

「生徒会長よ」

「えぇぇぇぇっぇえッ!?」

「実は男よ」

「えええええっぇぇぇぇぇぇっぇぇぇえええええぇぇぇぇえッッ!?」

「もちろん最後は嘘よ。クスクス」

 霧沙は不敵な笑みを漏らしつつ雷をからかっている。雷は未だにオドオドとしている。

 そんな雷を見て、霧沙はまたクスッと笑う。

「じゃ、また明日ね。今はもう寝た方がいいじゃないかしら? 明日の用意をした方がいいわ。あぁ、それと執事服は明日の朝届くわよ。じゃあまた会いましょう」

 まだ驚きが隠せない雷はそのまま部屋を出て行く。

 雷が出て行くとまたクスリと

「雷君ね……。クスクス、面白い子だわ」

 椅子にもたれながら笑っている。



「っふー!今日の仕事は終わりっと」

 自分の部屋に戻り、一息つく。

 一日仕事をすることの味わいを知り、それを自分で感心しているようだ。彼自身もそういう感情に浸れることを良いことだと想っているだろう。

 しかし、敏のような通常の執事とは違い、近衛執事は重大な仕事がある。それは…

『らぁいー。眠れないからちょっと相手してくれ』

 …雷は渋々と生返事をして部屋を出て行った。



「うむうむ。すまんなこんな夜に」

「いいってよ、別に」

 白夢の要望通り、白夢が寝るまで相手をしてやることにした。

 雷自身は渋々といった感じだが、白夢は常に笑顔で楽しそうである。

「ふむ、そうだな。この作品の裏話を淡々と語っていくのもまたオツなものd」

「序盤からいきなり裏話ネタをするなぁぁああーッ!」

「我侭な奴だ。もっと大らかになりたまえ少年よ」

「この作品倒れるわ!」

 白夢がニヤニヤしながらボケをして、それにツッコミを入れる雷。

「…暇だな。ではこうしようではないか、私がお前の背中に文字を書くからそれを当ててみろ」

「ん、背中文字か。…こういう遊び好きだよなお前」

「いいからさっさと背中を向けろファッキン小僧が」

「…怖ぇよ!」


 ベッドの上に二人が座り込み、雷は渋々と白夢の方に背中を向けた。そして白夢は淡々と背中に文字を書いていく。

「…ッ、くすぐるなっ」

「いやいや面白い反応を見るのがこの遊びの醍醐味であり…」

「お前の偏見はいらんわッ!」

 ツツーっと順調に背中に文字を書いていき、ようやく終了したようで指を雷の背中から放す。

「…長いな」

「うむ、けっこう長いぞ。当ててみるのも大変だろうが」

「…えーっと、あれがあーきてそれがこーきて…」

 頭の中で先程白夢が描いた線を再生し、何を書いていたのか考える雷。

 10秒…20秒…60秒で考えたがどうやら降参したようで両手を上に差し出した。

「何だ、降参か?」

「あぁ、意味がわかんねぇ…」

 降参した上でもまだ考えている雷。そして白夢の口から答えが漏れる。

「正解は『鬱』だ。どうだ、納得いったか?」

「難しすぎて納得も何もできねぇよッッ!」

「ハッハッハ」

 雷がツッコミ、そしてそんな様子を見て白夢が笑う。


 …そんな繰り返しが続き、白夢が背中に文字を書いている途中で止まってしまったため、違和感がした雷。

「おい、続きを…」

 書けよと続けようとしたが、雷の背中にトンッという音がした。

 この状況で雷の背後にいるのは白夢のみ。ならばこの音の正体は

「………ッッ!!」

 白夢がようやく眠り、必然的に白夢が雷にもたれ掛かった為である。そのことに気づいた雷は顔を赤面させる。

 そしてゆっくりとベッドに白夢を寝かせる雷。それに気づかず白夢はすやすやと寝ている。

 そんな白夢を見て、雷がボソッと声を漏らす。

「…寝顔は可愛いんだな…」

 思春期男子ありきの感想を呟き、そのまま部屋を出ようとした雷。

 そこで背後から声がする。

「む…設定6で12万負けただと…ありえない…」

「…どういう夢を見ているんだよ」

 そして、扉を引いて部屋を出た。





 …翌朝。

「おはようだ!雷よ!」

 雷の部屋で扉を豪快に開けた白夢、そして壁に激突している雷の姿があった。

「それが人を蹴って起こしておいた人間の第一声か…」

「ハッハッハ。まったくもって面白いなぁ雷は」

「面白がられる人の身になれよッ!」


「よしよし、まぁそう言うな。褒美があるからな」

「褒美ぃ? んだよそりゃ?」


 白夢が一度部屋を出て、敏を連れてきて戻ってくる。敏の手には黒い服が持たれていた。


「これが、お前の執事服だ」


「こ、これが…俺の…?」

 雷は目の前に出されている服に対して感激の声を漏らしている。

「これで、お前も立派な執事になれる。先輩も鼻が高いぜ」

 敏は正式な後輩ができたことで、同じように感激しているようだ。

「ハッハッハ。雷、嬉しいだろう?」

「あ、あぁ!なんつーか燃えてきたぜぇーっ!」

「フッ…。お嬢様、そろそろ時間なのでは?」

 敏が腕時計を見ながら白夢に言う。

「あーそうだったな。雷、早めに朝食を終わらせるぞ」

 自分の執事服を早速着ている雷に、白夢は話を切り出した。

 雷は疑問の声を漏らす。

「へ? なんでだよ?」

 その疑問に白夢は「ハァー」とため息をつく。

「今日は、登校日だろう?」

「あ、そうだった…!」

「分かったら、早く朝食を食べるぞ。服はその服着ていけ」

 白夢は雷が着ている執事服を指しながら言った。

「あぁ! っくー!心が躍るぜぇー!」

「…なんでこういう時はハイテンションなんだ、こいつは」

「さぁ、見当がつきません」

お久しぶりです。

この話の振り方からして次回は学園パートだというのが察せますよね。

ここまで一日をgdgdと書き続けていたのは自分でも反省しています。

雹嘉の登場シーンがいろいろと問題ありきでしたがそこは目を離してください。

では、次回で

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