六月 ≪雨と結婚≫
――六月。
それは初夏を抜け、雨が降りしきる季節。
じめじめとした空気が漂う季節ではあるが、逆に清涼感を感じる季節である事もまた事実。
雨は二面性を持っており、人々を困惑させる。それでも雨の存在はいつの時代も必要不可欠だ。
夏本番を控え、クールダウンを目的とした雨は人々の癒しなのかもしれない。
それはその時には決して気が付かぬもの。夏を迎えてこそ輝くものだから。
――梅雨と結婚。
この相反する二つが成り立つ事こそ、まさに六月に雨が降る意味である。
人々を困らせる雨、祝福する雨、まさに二面性を体現しているかのようなイベント。
だからこそ、人々は考える――雨とは一体何であるか、と。
しかし、答えは出ないだろう。なぜなら、それは人それぞれなのだから。
ある人にとっては恵みの雨、しかし、ある人にとっては悪意の雨なのかもしれない。
それを決めるのは他の誰でもない貴方自身だ。
さて、今回語られるのは、雨に自身を重ねる少女と大切な経験をした少女たちの物語。
六月という夏目前にした時期、少女たちは何を考え、何を思うのか。
――それは、少女たち自身しかしらないのだ。




