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 長い廊下を抜けると、先の見えない程に広いスペースがあった。

 通称格技場とあるそれは、どちらかというとサバイバルゲームをするような、遮蔽物のある場所だった。

 「やっぱり。広いねー聖。じゃあ、どっちがどっちとテストする?」と明るい声で話している。

 聖君は、少し首を捻り、

 「では、僕が佐助さん。静ねえが、恋さんで良いですか?」とこちらに向かって聞いてきた。

 「僕はどちらでも構わないけど、佐助君はどう?」と聞くと、

 「どうだっていいよ」と返ってきた。

 「えーと、私が黒髪のお兄さんで、聖が金髪のお兄さんってことだね。分かった。じゃあ、黒髪のお兄さんこっちに来て」と行って僕のの手を掴んで、部屋の反対側に行ってしまった。

 「じゃあ、僕たちも始めましょうか」と聖が、訊いて、佐助が「ああ」とぶっきらぼうに答えのだけが聞こえた。

 「ねえ。後輩君はさ、何でシルバーバレットに入りたいの?」

 「僕はね、正義の味方になりたいんだ。世界中の人を皆救えるようなヒトに」

 「ふーん。そうなんだ。つまんないの。」そう静ちゃんが呟いて、話は終わった。

 暗かった格技場に、パッと明かりがついた。そして、短いノイズ音のあとに、本郷さんの声が聞こえてきた。

 「坊主ども、聞こえてるか?じゃあ、さっさと初めてのくれ。あー、あと恋と佐助はシルバーバレットに入るのは決定事項みてえなもんだから、気張らず腕試しくらいにしといてくれや。じゃあ、後は勝手にしてくれ」と言うと、ノイズ音がした。

 影を編む、自分の本質、自分の力を混ぜて、牙を具現化させる。

 そして、確かな重みが右手に現れる。

 銘は影虎。何もかもを喰らい、無にする自分の象徴。

 目を閉じて、息を深く吸い、吐く。高鳴っていた鼓動はゆっくりと、無意味な思考はただひとつを見据えて回る。

 目を開ける。目の前には、銃を持った静ちゃんが、立っている。

 勝つ。只それのためだけに、意識を思考を割く。 

 相手の武器を遠距離武器。射程では、圧倒的に不利。ならば、自分の間合いに速攻で持ち込む。

「ねえ。後輩君はさ、正義の味方に成りたいんだよね。でも、正義の味方はとても物語のようには、絶対に成れない。ヒトはね、大切なモノとさ世界を天秤にかけたら、大切なモノを取っちゃうんだよ」と年下の女の子が僕に言う。

 僕には、天秤にかけれるような物があっただろうか。

 「じゃあ。行くよー」といって彼女は引き金を指を掛ける。

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