テスト
話が終わった安堵からか本郷さんはゆっくりと息を吐く。
「では。車を用意するから少し待っていてくれ」といって席を離れようとすると、後ろで遊んでいた静がよってきた。
「待ってよ。本郷さん。あたしは、この二人がシルバーバレットに入っても良いって言ってないよ」と不満を露にする。
「ちょっと。何でですか?」驚いた僕は席から勢いよく立ち上がる。
それを横目に、珈琲を啜りながら佐助が
「当たり前だろ。対異形っていう看板掲げてるんだぁ。なら、弱かったら使い物にならねえ。って言いたいんだろ」と目線で静に問う。
「そうだよ。分かってるね金髪のお兄さん。本郷さん良いよね」とねだる。
うんざりとした顔つきで、本郷さんは、黒髪の少年に手で招く。
「なあ、聖。こいつら連れて。訓練所まで行ってくれ。俺は少し遅れる。
「はい。分かりました。本郷さん。皆さんこっちです」と促す。
僕は、聖のすぐ後ろにくっついて歩く。
佐助は面倒だとでも言いたそうな顔であくびをしながら最後列を歩く。
静は、嬉しいのかスキップをして、さっさといってしまった。
これから、始まるのはテスト。僕の夢に近づけるかの大きな瀬戸際。