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1歳の竜人

言葉を発したあの日から数ヶ月


1歳の誕生日を迎えた


妙に人が少ないのは薄々気づいていたが


この家には母と侍女ヘレネスその娘カンナが住んでるようだ


父親の事が少し気になったが


特に不便だとは思っていないので今は放っておくとする


いつか母親が何か話すだろう


また行動範囲も広くなった


警戒して隣の部屋にまでしか動かなかったが


玄関に繋がる廊下にまで行動範囲を広げた


廊下をハイハイで進む赤子が見つかれば部屋に戻されるだろうが


部屋を出るときはカンナがついてきてくれるようだ


見張ってるのか?赤ちゃんだからだろうと俺は答えを出した


何故かカンナは俺の行動をあまり阻害しようとはしないようだ


玄関の方から声が聞こえてきた


「我は少し用があるので出かける事にする後の事は頼むぞ」


「かしこまりました、奥様」


玄関の近くまで移動すると母親が俺に気づいた


「ケトス、ママは出かけるのでいい子でまってるのだぞ」


「あー・・・あい」


相変わらず俺には甘いのか笑顔で話しかけてくる


「それではの・・・」


そう一言言うと空を見上げ数歩歩いて立ち止まった


背中から竜のような翼が一気にはえてきた


まるでそこにあるのが当然のように


久しぶりにビックリした


ここにきて生れた時の記憶がよみがえった


忘れてたのだ肝心な事を


そういえば竜人がどうとか言っていたなと


そう思い出している間に母親が飛んでいってしまった


う~ん竜人か・・・俺にも翼はえるのか?はえるんだろうなぁ・・・


「ささ・・・ケトス様、お部屋に戻りましょう」


ヘレネスに抱っこされ部屋に戻されてしまった


部屋では特にやる事もないので歩行練習をする事にした


そろそろ体も耐えれるようになっているだろうと思ったのだ


以外にバランスがとれずに数歩歩きこけるというのを繰り返した


数十分がたっただろうか


さすがに疲れてへばっているとカンナがこちらを見ているのに気づいた


部屋に戻ったのではなかったのだろうか


カンナは時折熱き視線で俺を貫いてくるのだ


俺の視線に気づいたのだろうか部屋に入ってきてこう告げた


「ケトス様はみんなの言葉をりかいしているんでしょうか?」


4歳にしてはしっかりとした質問だった


しかも赤ちゃんにたいしてだ


「あ~・・・しゅこし」赤ちゃんらしく?無難に答えたつもりだったが


カンナは目を見開いていた


まずったか?と思った。赤ちゃんが周りの事を理解するのか俺にはよくわからなかったからだ


「す、すごいです!やっぱりケトス様はあたまがいいのかもしれません」


ブツブツ言いながら部屋に戻ってしまった


俺はカンナの方が頭がいいのでは?と感じていた


なにせまだ4歳もうすぐ5歳だが、受け答えをしっかりしてある程度理解しているのだ


1歳児と4歳児 小さい子がする会話だろうか?俺には疑問でしかなかった


その翌日


ヘレネスがやってきてこう言った


「離乳食完了期というものをご存知でしょうか?ケトス様」


「・・・」唐突にそんな事を1歳児に聞かれても答えれないだろう・・・


とりあえず返事をしてみた


「あい・・・」


「ご存知ないと思いますが・・・えぇ!?知っていらっしゃると!?」


素で驚いた顔をされた しばらく沈黙して 意味のない返事だと悟ったようだ


「ごほんっ!失礼・・・離乳食完了期というものは大人と同じ食事にうつってもらう時期に入ったという事です」


「あい」手をあげてみた


「というわけで今日からはケトス様が無理なく食べれる食材を食事にいれていきます」



その日の晩から美味しそうなスープとお米?さらに一品何やらよくわからないやわらかい肉が食事にならんだ


もちろん一品一品の量は少なかった


だが固まりの肉を久しぶりに食べられると思うと内心心が躍ったのは確かだった


味は・・・薄味だね。うん・・・ヘレネスも気をつかってくれてるのだろう


さらに翌日


母が出て行って二日目がたった日の事


長老が家にやってきた


開口一番「客なんじゃよ・・・」少し疲れたような顔をしてた


いつもどおり廊下を徘徊していたので監視?していたカンナに長老は話しかけたのだ


「ちょうろうさまお客さまはもうきていらっしゃるのですか?」


「そうじゃな、ほらここにの?」


「お初にお目にかかります銀竜のインというものですここにファーヴニルとその息子がいると聞いてきました」


ファーヴニルって誰だ・・・?


「何が聞いてきましたじゃ?連絡はいっておるじゃろうに・・・」


「そうですね、しかし私も一児の母なのでね彼女とも話しをしておきたいと考えましてね」


「そういう言い回しには言葉もでなくなるのぅ・・・」


長老は呆れ顔だった・・・


間を置くと長老は俺に目を向けて話しはじめた


「そこにいるのがファーヴニルの子ケトスじゃ、実に頭が良い子じゃわしらの話も多少は理解しておるようじゃしの」


ギクゥ!俺は内心冷や汗が出てとまらなかった・・・

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