第一話
更新が遅れてしまい申し訳ありません。
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ある男side
「涙が出るよ。君から離れられる事に」
私から全てを奪った彼女はその言葉の意味が分からないと言う様な顔をした。分からない?そう、最後まで分からないのだね。
私が君を裏切ったのではない。君が私を裏切ったという事を―――
「裏切りの意味さえ理解してないとは.....」
最早君だけを責めるのは間違っているのか、それともまだ私の方にこそ正当性があるのか。
こんな時に言っても遅いだろうけど、君ともっと話し合うべきだったよ。まあ結果なんて直ぐに出ただろうけど、君が私に論破されると言う結果が―――
「だけどもう全てが遅い。結末が見えてしまった」
終わりの気配が近付いて初めて君とこんな風に話すなんて、酷い皮肉だと思いやしないかい?
もっと早くに話し合いと言う名の深層意識改変をするべきだったかな.....嗚呼、もう何もかもが遅過ぎた。
全てを閉ざして繋がりを断とう。そうしたら私は何者にも煩わされない。
「どうやって断とうか.....。天に召されてみるか?いや、俗世との関わりを断って世捨て人にでもなろうか?」
存外に全てを断つと言うのは難しいものなのだな。私が久々に悩んでしまった(笑)
―――今、(笑)とか雰囲気にあってないんですけどwwwとか思っただろう。.....余計なお世話だ!とだけは言わせて貰おう。
ある女side
「あなたがこの私を裏切るというの!?」
有り得ないわ!あなたが私を裏切るなんて絶対に有り得ないわ!!―――だってあなたは私を愛しているのだから!
あなたが私にその一方的な恋慕を抱いているにも関わらず私の側に侍る事を許したのは、私の望む未来を確実に得る為の道具として利用価値があったからに過ぎないのよ!
.....それなのに私を裏切ろうとするなんて許さないわ。貴方は私の傍でずっと居るのよ。
私の為に生きるの。あなたの存在価値は私の望みを叶える事しかないのよ!
「私が裏切りを許すとでも?」
私を裏切るなんて愚かだわ。この世界は既に私の支配下にあるわ。反逆者など一人も居ないわよ?
だって、あなたと私で排除したのだから。