第6話
――ガチャ――
『おっはよー!』
朝勢いよくまりえの部屋に入ってくる雄太。
『まだ寝てんの?』
布団に包まっているまりえをツンツンとつつく。
「「なっ何いきなり…。」」
ビックリして布団から飛び上がる。
『まりえのパジャマ姿かあ…それもいいね☆』
「「…。」」
『まりなまだ寝てるんだもん。』
「「知らないよそんなの。」」
『まりえなんか最近冷たくない?』
雄太はまりえの顔を覗き込む。
「「二人が付き合ってんだから当たり前じゃん。」」
『…?』
「「私だって好きなんだから…。」」
『へっ?』
ビックリしてそれ以上は何も喋らなかった。
「「眠い…。」」
目をこすりながらまたベットに潜り込んだ。
雄太はちょっとしてから立ち上がる。
「「…。」」
二人が付き合ってまだ一ヶ月も経ってない。
早くすれば早くするほどまりなの傷も浅くなるし。
「「ねぇ…。」」
『何?』
ドアの取っ手を握りながらこっちを向く。
まりえは立ち上がり雄太の方に向かう。
「「キスしてよ。」」
顔を近付ける。
『はっ?何言ってんの?』
「「本気だよ。」」
『俺まりなと付き合ってんだよ?』
雄太は呆れたように笑う。
「「そんなん知ってる。」」
真剣なまりえに雄太も戸惑った。
『ダメだって。』
「「私二番目でもいい。雄太の傍に居られるなら。」」
『…。』
「「お願い…。」」
まりえは雄太の胸倉を掴み一方的にキスをした。
何も気持ちのこもってないキス。
それでもいい。
すぐに雄太は部屋から出て行った。
これでいい…。
これでうまくいく…。
昼ご飯を一緒に食べる時雄太は少し言葉が少ない。
まりなが一人で喋っている様だった。
でも私は何も気にしないで食べた。
◇
『付き合って下さい。』
放課後に呼び出されたまりえに告白したのは雄太の友達だった。
「「あー。ごめんなさい。私好きな人いるんだ。」」
気持ちなんか少しも揺らがない。
好きなのはただ一人だけなんだから。
好きと言われないのも君じゃない。
『そっか…。』
まりえは一人で家路に着く。
「「あっ…。」」
前には雄太が一人で歩いている。
「「ゆーた!」」
『まりえ…。』
雄太は目を合わせようとはしなかった。
「「一人?」」
『うん。じゃあ…。』
家の前でまりえの顔も見ずに家に入ろうとする。
「「ちょっと…!」」
まりえはそんな雄太を引き止める。
「「冷たくなったって言ったのは雄太のくせに!」」
『そーだな。ごめん。』
「「私も雄太の家入る。」」
『はっ?』
「「入りたいの。」」
雄太は周りにまりなが居ないか確かめてから渋々まりえを家に入れる。
「「私今日雄太の友達に告白された。」」
『えっ?』
「「でも好きな人いるって断ったんだ。」」
チラっと雄太の顔を見るとすぐに雄太は視線を外した。
「「ねぇ…。」」
空いてた距離を縮める。
「「キスしてよ。」」
『…。』
雄太は下を向いたまま動かない。
「「ゆーた…。」」
『俺まりなの事裏切ったりできない。』
「「なんで…?」」
まりえは下を向き涙をこらえた。
『ごめん…。』
「「好きなの!ずっとずっと前から。私こうするしかできない。」」
Yシャツを掴み気持ちを訴えつづけた。
『っ…。』
首に顔を近付け雄太の首をベロっと舐め回す。
まりなごめんね。
こうするしかないんだ。
――♪♪♪♪――
『!!』
電話はまりなからだった。
『もしもし…。うん。わかった。』
「「なんて?」」
『まりな迎えに行く。』
雄太はその場を立ち上がり用意をした。
まりえも黙って用意をして二人は家を出る。
「「雄太ごめんね。」」
『えっ?』
「「好きだからなんだ。わかって。」」
雄太は何も言わないで歩いて行った。
こうするしか私は考えられない。
いいの。
私の好きな人が手に入る為なら。
いいの…




