第4話
でもこんな事しても無駄だったみたい。
『まりなと付き合ったよ!』
そう雄太に聞かされたのはあれから何日も経たない頃だった。
『まりえが焦らせてくれたからさあ。告れたんだ。したらまりなも俺の事好きだって。知ってたんだろ?』
「「まーね。」」
『ありがとーまりえー!』
「「くっつくなよー」」
私は雄太の気持ちを急速にまりなに向かわせてしまったみたいで。
結局恋のキューピットになってた。
馬鹿げてる。
でもこれだけじゃ終わらせないよ。
すぐ二人の関係終わらせてあげるから。
学校でも二人で居る姿は目立ってしょうがなかった。なんたって校内の美男美女カップルなんだから。
嫌でも目に入る。
嫌でも噂が耳に入る。
この日からまりえは一人で帰る事が多くなった。
「「…。」」
まりえは足を止めた。
家の前でまりなと雄太が楽しそうに話している。
「「…!!」」
二人はキスをした。
――ドクンッ――
やめてよっ。
キスなんかしないでよ気持ち悪い。
触らないでよ。
あんな姿見ても悲しくなんかない。
ただ憎いだけ。
なんであんたなの…?
「おかえり。」
「「うん。」」
いつも通りソファーに座り溜息をつきぐったりした。まりなは台所に行き何か飲み物を準備してくれてるみたいだ。
「あのさ…私雄太と付き合う事になったの。」
知ってるってば。
そんな話ししないでよ。
「雄太がまりえのおかげだって…。」
「「…。」」
「ありがとう…。」
「「お礼なんかしないでよっ!気持ち悪い!」」
イラつきが頂点に達しテーブルをおもいっきり蹴飛ばす。
――ガシャーン――
まりなはビックリして持っていたコップを落とした。
「まりえ…?」
目を見開いて怯える様にまりえを見ている。
「「…。ごめん。」」
まりえは足早に部屋に入った。
私ダメだ。
まりなが幸せそうにしてるのなんて見てらんない。
お互いの口からお互いの名前が出ない位憎んで別れてほしい。
そして私だけを見てほしいよ。




