第2話
雄太は背も高くて、顔もかっこいい。
遠くからでもすぐ姿を見つけられるんだ。
学校では皆の憧れの存在なのは私も知ってる。
「雄太今日も元気だね。」
まりなの雄太を見る目がいつの間にか変わっていたのもまりえは気づいていた。
「「うん。」」
3人は兄弟みたいに育ってきたけど。
さすがに高校生にもなると恋愛感情が現れてしまう。大人になってきたって証拠なのかな?昔は一緒に居て楽しいだけで良かったのが、だんだん自分のものだけにしたいと独占欲が出てくる。
でもまりなに雄太を好き?なんて聞く勇気なんてないけど。
『まりえー。』
ある日雄太が私が一人の時に話しかけてきた。
『ちょっと今日話しあるからさ。帰り一緒に帰らない?』
いつもと明らかに態度が違う。
「えっ…?」
『二人だけでね。』
「うっうん。」
顔を赤くする雄太に何故かまりえも顔が赤くなる。
「まりえ。帰ろー。」
まりながいつも通り帰りになると教室まで迎えに来た。
「「ごめん今日は先に帰ってて。」」
「用事?」
「「うん。雄太とちょっと話しあって。」」
「雄太と?」
まりなは少し表情を曇らせた。
「「きっと雄太の事だしたいした話しじゃないんだろーけどさあー。」」
ハハハと作り笑いながらまりなの様子を伺う。「じゃあ先帰ってるね!」
まりなはいつも通りの可愛い笑顔に戻っていた。
「「はぁー。良かった。」」
『…。』
帰り道雄太はずっと黙りっぱなしだった。
「「あのさ…どーしたの今日は。」」
やっぱりいつもと違う雄太。
『いやー…。あの…。』
「「気持ち悪いなあ。さっさとしてよー!」」
軽く蹴りを入れる。
『だーから…。俺さー前から…。』
ゴホンと一回咳をしてまりえを見た。
「「…!!?」」
『好きだったんだよ気づいてたかもしれないけど。』
「「へっ?」」
『まりなのこと。』
――ドクンッ――
まりな…?
『ほらずっと3人で仲良くしてたけど。俺もうそろそろ限界かなーって。』
「「…。」」
『まりなに告ろうと思ってるんだ。』
何でまりななの?
「「何でいちいちそれを私に言うの?」」
『仲良かったから。それにまりなに好きな奴いないか聞きたくて。』
ムカついて手が震えた。
「「知らないよそんなのっ!」」
バシッと雄太の胸に鞄を当てておもいっきり走った。
今日もしかしたらって思ってまりなに気使って、傷つけない様にしてた私が馬鹿みたいじゃん。
馬鹿らしい…。
家に着きリビングを見るとまりながソファーに座りテレビを見ていた。
「「チッ…。」」




