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ふたつの帰り道

作者: 天川裕司

初めまして、天川裕司です。

ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。

また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。

どうぞよろしくお願い致します。

少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬


【アメーバブログ】

https://blog.ameba.jp/ucs/top.do


【男山教会ホームページ】

https://otokoyamakyoukai.jimdofree.com/


【YouTube】(不思議のパルプンテ)

https://www.youtube.com/@user-vh3fk4nl7i/videos


【ノート】

https://note.com/unique_panda3782



【YouTubeドラマにつきまして】

無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、

お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。

基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。

創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪

出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬

でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、

どうぞよろしくお願いします(^^♪



タイトル:ふたつの帰り道


「はぁ。どっかにイイ子、居ないかなぁ」


俺の名前は、古々羅田ここらだ 賀露人かろと

もうサラリーマンをして10年になる。


最近、俺は充実してない。

マンネリ化した日々の生活に嫌気が差して、

何かもっと楽しいこと・喜ぶべきこと、

そんなのを探し回っていた。


賀露人「ハハwこんなこと言ってっとバチが当たるなぁw さ、仕事に戻ろ」


その日の仕事帰り。

いつものバーに寄ると、

不思議な女が俺に声をかけてきた。


彼女の名前は、潮江しおえルワさん。


都内で恋愛コーチの仕事をしていたらしく、

カウンセリング的なその仕事ぶりから

どこか不思議なオーラの持ち主だ。


でも本当に彼女は不思議な人で、

俺はなぜか心が開放的にさせられ、

今自分を悩ませているいろんな事を

彼女に打ち明けさせられていた。

どうしてそうなったのかよくわからない。


それともう1つ不思議だったのは、

結構美人な彼女だったのに、

恋愛感情が全くわかなかったこと。

それより、

「自分の理解者になってほしい」

と言う気持ちの方が膨らみ、

俺はその一心で彼女に寄りすがった。


ルワ「なるほど、そうでしたか。今の生活がマンネリ化して、日々に充実感がなく、何か楽しみや喜び・自分のメリハリになるようなものを探していると?」


「ハハwま、まぁそんな感じで…」


ルワ「でも先ほどご結婚してらっしゃるとかおっしゃられてましたよね?」


「え?あ、まぁ一応…」


ルワ「一応なんておっしゃったら奥さん可哀想ですよ?もっと家族サービスに精を出して、家の中で幸せを見つけてみては?」


初めはありていの事を言ってきた彼女。


でも俺はそんな毎日ずっと経験してきて、

今ここへ来て嫌気が差し、

五月病のような躁鬱にもなり、

以前の俺にはほとんど戻れず、

その悩みをここで打ち明けたんだ。


それなのに彼女は今更…と、

少し馬鹿にしたような態度に出てしまう。


「家族サービスねぇ。…もうそう言うのに嫌気が差しちゃってさぁ。結婚、間違ってたのかなあ」


わざと変な態度に出てしまい、

とにかく彼女を困らせて、

もっと刺激的なことを!

みたいな感覚になってしまった。


すると彼女は…


ルワ「それではこちらを差し上げましょうか?」


と言って、

1本の栄養ドリンクのようなモノを差し出し…


ルワ「これは『Destructive Charm』という特性のサプリメントのようなもので、これを飲めばきっとあなたの生活は明るくなります」


ルワ「このドリンクは、あなたの内に隠された魅力を最大限に引き出し、それによって周りの反応も変わるでしょう」


「……は?」


ルワ「フフ、まぁ騙されたと思って1度試してみてください。あなたの周りでは明るい楽しいことがたくさん起きるようになって、その生活にもきっと活力が湧き始めます」


ここでもう1つ感じた彼女の不思議は、

彼女がそう言うと、

その気にさせられること。


俺はその場でそのドリンクを手に取り、

一気に飲み干した。


(数日後)


女子社員「ねぇ賀露人さん♪今度一緒にカラオケでも行きません??」


女子社員「ねぇねぇ賀露人さん♪今日時間あります?もしあったらみんなと一緒に飲みにでも行きませんか?良いトコ知ってるんです♪」


上司「いやぁ〜賀露人くん♪君の成績は素晴らしかった。この調子で、これからも頼むよ!」


なんだか良いことが

立て続けに起こった。

その理由が自分のことながら、

うっすらわかる。


ルワさんからもらったあのドリンクの効果。


自分に隠された潜在的な力が

発揮される・魅力が発揮される!


この力が、

俺のファッション的な魅力も引き出し、

仕事の実力をも引き出し、

こんな豊かな生活を与えてくれた。


俺の生活は、それから見事に変わった。


(数週間後)


それから少しして、

俺はまた仕事帰りに、

あのバーへ飲みに行った。


「ハハw最近はもうホントに華やかな生活になってくれたなぁ。…でもここだけは、1人で来たいんだよな♪」


そうしてよく見ると、

向こうのカウンターに

ルワさんが居るのに気づいた。


俺はすぐに駆け寄り、彼女にお礼を言った。


「いやぁ〜ルワさん♪本当にありがとうございました!あなたのおかげで私の生活、すっかり見違えましたよ♪」


それを聞いて

彼女も自分の事のように喜んだ。

でも1つだけ注意してきた。


ルワ「良いですか賀露人さん?あなたはご結婚されている身です。奥さんの事をほったらかしにして、他の幸せに身を寄せないようにしてくださいね」


「は?他の幸せ?」


ルワ「ええ。つまり浮気のことです」


彼女はパッとこちらを振り向き、

潔くそう言った。


「あ…、いやあの、ハハw浮気なんてそんな」


ルワ「あなたはメリハリを求めて今の生活にたどり着きました。そのメリハリの中には、今の幸せを壊し、調子を崩して、あなたそのものを変えてしまう、新しい環境や刺激なども含まれます」


ルワ「良いですね?その楽しみや幸せを常識の範囲に留め、道徳から外れた事をしないように。でなければあなたにとって、とんでもない不幸が訪れるでしょう」


「え?…あははw何言ってんですか?怖いなぁもうw」


俺はこの時、

彼女の言う事を軽く聞き流した。

ウハウハの生活で、

今彼女が言ったことが

大したことないように思えたからだ。


(浮気)


女子社員「ねぇ、賀露人さん。今度、2人きりでドライブしません?」


「え??」


女子社員「あなたに奥さんが居る事は知ってるわ。でもバレなきゃ浮気じゃないわよ。そのあとはホテルにでも行って…」


「あ……。あ、あははwへへw」


俺はそれから、

このとき言い寄ってくれた

彼女の言う通りに行動した。


(デートの帰り道)


「ふぅ。明美ちゃん、可愛いかったなぁ〜♪やっぱり人生はこうでなくちゃ♪」


山の景色を2人で堪能し、

山荘のロッジで1泊した後、

新しくできた彼女・明美を

彼女の実家へ送り届け、

俺はそのまま車で帰宅。


「お、雨になってきたなぁ。急がないと」


雨が降りしきる中、山道を降り、

山道からちょうどトンネルに入った時。


「…ん、なんだあれ?」


向こうのほうに影のようなものが。

だんだん近づくにつれその正体がわかった。


「う!うわあ…!?」


急ブレーキをかけて

トンネルの真ん中に車を停めた。

そして車から降り、彼女と対面。


ルワ「あなた約束を破ったわね。今まで浮気相手と一緒に居ましたか?」


「ル、ル、ルワさん…?!」


ルワ「あなたはこのトンネルを出る事は無い。この闇の中で、ずっとさまようことになるでしょう」


ルワ「…今、あなたの自宅で奥さんが、どんな気持ちで待ってらっしゃるか。それを考えなかったのですか?」


「な、なんで、あんたがこんなトコに…」


ルワ「そんなに浮気がしたいなら、浮気相手の所にずっと居れば良い。でも奥さんにとってはあなたは亭主。奥さんの方にも、あなたを自分のそばに留める権利があるはずです」


そして彼女は、

自分の右手を俺の前にスッと差し出し、

パチンと軽く指を鳴らした。

その瞬間、俺の意識は飛んでしまった。


(自宅)


妻「あなた!あなたぁ!起きてよ!どうしたのよ!なんでこんな姿で…」


(明美の部屋)


明美「ルンルン〜♪今日は誰にしようかなぁ〜私の恋人♪うーん、ま、今日は軽くまた賀露人君で良いかなぁ〜wルンルン♪」


俺の体は抜け殻のようになり、

自宅の妻の前の椅子にポツンと置かれていた。

目はいているのに起きておらず、

ずっと眠ったようにじっとしている。



そして明美の部屋には、

俺の意識だけが飛んで来ていた。

でも俺の心だけが

彼女の部屋にあるので、

彼女はそんな俺の姿を認められず、

そこに誰も居ないかのように振る舞っている。

だからこんな事も聞かされてしまった。


(自宅と明美の部屋を同時に見上げて)


ルワ「私は賀露人の正直と、欲望から生まれた生霊。その正直な心に応え、彼に生活の仕方を教えてあげようとしたけど、彼にはそれを守れなかった」


ルワ「欲望のバネに弾かれた、人間の勢いは凄まじいもの。他人はその勢いを止められず、自分でも留められない」


ルワ「二兎追う者は一兎も得ずとは言うけど、罪の意識に隠れた錯覚の内、三兎も四兎も同時に獲得している自分の姿を見てしまう現代人」


ルワ「でもそういう人は、必ずあとで裁かれるのよ。例えば賀露人が出遭った悲劇のように。聖書に記された処罰に同じく」


ルワ「賀露人の本当の体はここにある。このトンネルの中。いつか誰かが見つけてくれるでしょうね。理由不明の事故として。彼の心がこのトンネル内にずっとある事を、誰も知らないままで」



動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=FqWisiKjkwU

少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬


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