ep.30 希望の光
「さあ、アーク。行きましょう。第1の塔を攻略するわ」
ジャスミンが促すと、アークは小さく頷いた。
パーティは、彼の圧倒的な先導で第一の塔を駆け上がっていく。
道中の魔物は、アークの精密かつ俊敏な動きの前に、為す術なく沈黙した。
たった数十分で、パーティは最上階へと到達し、堕天使の封印の一端を解き放つことに成功した。
その時、システムメッセージが脳内に響き渡った。
【第一の塔が攻略されました。街の南東に第二の塔、南西に第三の塔が出現します。】
そのメッセージと共に、王都の南東と南西に、禍々しいオーラを放つ巨大な塔が、まるで地面から生えてきたかのように現れた。
「なんてこと……まだ二つも……」
ジャスミンは愕然とした。
これでは、ブライアンに残された時間で、すべての塔を攻略するのは不可能だ。
彼女はアークに視線を向けた。
彼の顔は、いつもと変わらない。
諦めを知らない少年の横顔に、ジャスミンは胸の奥が締め付けられるのを感じた。
その時、街中にいる全てのプレイヤーの頭上に、まばゆい光の通知が届いた。
それは、隠しクエストの解放を知らせるものだった。
【隠しクエスト『堕天使の解放』が、全プレイヤーに解放されました!】
そして、その通知の下には、ジャスミン達には届かなかった秘密のメッセージが添えられていた。
ジャスミンは、突然のクエストの解放に息をのんだ。
これなら、このクエストをクリアすることができるかもしれない…!
ジャスミンは、隣に立つアーク、そして現実世界のブライアンの姿を思い浮かべた。




