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アーク  作者: Masa
22/37

ep.22 ブライアン、復帰

セツナ、ヴァルカンと合流したジャスミン。

そこへ何食わぬ顔をしてブライアンがやってきた。

ジャスミンは驚き、すぐさまブライアンの顔を覗き込んだ。


「ブライアンさん、体調はもう大丈夫なんですか?」


ジャスミンは心配そうに尋ねた。

ブライアンは優しく微笑んで頷いた。


「おお、お嬢さん。心配をかけたな。もう大丈夫だ。点滴を打ってもらったおかげか、今はもうだいぶ楽になったよ」


ブライアンの言葉に、ジャスミンはホッと胸をなで下ろした。

完全に回復したわけではないだろうが、ゲームをできるくらいには持ち直したようだ。

だがやはり心配ではある。

それが顔に表れていたのであろう。


「心配かい?優しいお嬢さん」

「…っ!……はい」

「そうかい。しかし、わしにも遠くの者を手助けできる術はない」


ブライアンが髭を撫で、遠くを見ながら続ける。


「だが一つだけ手があるかもしれん。どれ、わしにプレゼントを送ることにしよう。お嬢さんはそれをわしの筐体とつないでくれればいい。」


ジャスミンはまるで話の内容が理解できなかった。

でも、きっとゲームのキャラクターになりきって演じているのだと理解することにし、了承した。


一行は、新たなクエストの受諾に向かった。

今回のクエストは、街の近郊にある呪われた古道の浄化クエストだ。

最近、そこを旅する商人が魔物に襲われる被害が多発しているという。


パーティは古道を進んでいく。

道中、奇妙な瘴気が立ち込める場所があり、ブライアンの魔道士としての知識で瘴気の元を特定したり、ヴァルカンが道行く商人を魔物から守ったりと、順調にクエストをこなしていた。

しかし、古道の最も深く、瘴気が濃い場所に到達した時、彼らの行く手を阻むように、巨大な「瘴気の大蛇」が現れた。

それは、この古道の主であり、並大抵の冒険者では太刀打ちできないほどの力を秘めていた。


「よし、みんな! 作戦通りに!」


ブライアンが指示を出す。

ヴァルカンが先陣を切り、セツナが回復魔法の詠唱を始める。

ジャスミンもクロスボウを構え、狙いを定める。


その時だった。

茶色い髪の少年が閃光のように現れたのだ。


「またあんた! 何なのよ、邪魔する気!?」


ジャスミンが詰め寄ると、少年は鼻で笑った。


「別に邪魔なんかしてねぇよ。ただ、あんたら弱いからな」

「弱いって何よ! 私たちだって一生懸命やってるの!」


ジャスミンは怒りに声を震わせた。

少年はつまらなさそうに肩をすくめた。


「ふん、そんなことでイライラしてどうする。まぁ、せいぜい、このわしの背中見て勉強でもしとけ」


少年はそう言い放つと、パーティの誰もが反応する間もなく、瘴気の大蛇を横目に、一瞬で背を向け、古道の奥へと風のように飛び去っていった。

その姿は、あっという間に瘴気の向こうへと消えていった。

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