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ep.21 街の噂
その夜、ジャスミンは心身ともに疲れ切っていたが、マイケルを寝かしつけると、再びヴェリディアン・レゾナンスの筐体へ潜り込んだ。
ブライアンのことが気がかりだったが、このゲームの世界では、仲間たちが待っている。
街の中心広場に降り立つと、そこかしこで冒険者たちが雑談に興じていた。
ジャスミンはパーティメンバーが来るのを待つ間、何気なく耳を傾けていた。
すると、近くにいた冒険者たちの会話が彼女の耳に飛び込んできた。
「聞いたか? 最近、初心者のガキがモンスターに囲まれてやばかったらしいぜ」
「ああ、でも、誰かが一瞬で全部片付けちまったって話だ。すげぇ腕前だったってよ」
「へぇ、誰なんだそいつ?」
「さあな。でも、そういう話がよく出てくるんだよな。なんか、まだ子供らしいんだが、すっげぇ素早い奴がいるって。」
ジャスミンはハッとした。子供がモンスターに囲まれ、一瞬で助けられた?
まさか……マイケルが話していた「ヒーロー」のことではないか。
耳に神経を集中し、会話を聞いていたジャスミンだったが、残念ながらそれ以上の収穫はなかった。
一体どんな人なのだろうか。




