表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アーク  作者: Masa
12/37

ep.12 出会い

最初の街は、初心者冒険者で賑わっていた。

彼女は慣れないクロスボウを抱え、チュートリアルに従いながら、近くの森で弱いモンスター相手に練習を始めた。


数日後、ジャスミンは街のほとりで、ふと見慣れた姿を見かけた。

金髪に青い瞳、白く伸びた髭。

その顔立ちは、まさに現実世界で彼女がゴミ捨て場で出会った、あの老人の若かりし頃であろう姿に見えた。

彼は、木陰で何かをブツブツと呟きながら、古びた地図を広げている。

ジャスミンはハッとした。

あの老人がゲームをしている!

近所の、あのおじいさんが。

その事実に、彼女は不思議な感動を覚えた。

同時に、彼がこの広大な世界でどんな冒険をしているのか、ふと興味が湧いた。


ジャスミンは、その老人プレイヤーに近づいてみた。

彼はジャスミンに気づくと、地図から顔を上げ、ニッコリと穏やかな笑顔を向けた。


「あぁ、お嬢さん。こんな所で何を油を売ってるんだい?」


その気さくな物言いに、ジャスミンは拍子抜けした。

現実世界でのあの無愛想な態度とは全く違う。

ゲーム内では、みんな別人格になるものなのだろうか。


「あの…、もしかしてご近所の……?」


ジャスミンは、確認するように尋ねた。

老人プレイヤーは目を細めて笑った。


「かもしれないねぇ。よろしく頼むよ、お嬢さん」


彼は否定しなかった。

やはり、この人が、現実世界のあの老人なのだと彼女は確信した。

二人は少し話しただけですぐに打ち解けた。

彼はその場で臨時パーティ申請を出した。

すると彼の頭上に「ブライアン」というユーザー名が表示された。


「ブライアンさんというのですね。私はジャスミンです。よろしくお願いします」


その後、ジャスミンは何度かブライアンと行動を共にするようになった。

彼は熟練したベテランプレイヤーらしく、ジャスミンの危なっかしい立ち回りをさりげなくフォローし、クエストの進め方や、アイテムの効率的な集め方などを教えてくれた。

彼の職業は魔道士で、杖から放たれる全体攻撃魔法は広範囲の敵を一瞬で薙ぎ払うほどの威力を持っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ