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ep.1 プロローグ
朝の光が、どこにでもあるようなのどかな田舎町の屋根を照らしていた。
小鳥のさえずりが聞こえ、遠くでスクールバスのエンジン音が響く。
その平和な風景の中を、ブライアン・ギャリソンはヨボヨボと歩いていた。
背筋は丸まり、白い髪と髭は伸び放題。
その手には、使い古されたスーパーのビニール袋が握られている。
彼の歩く道の先に、いくつかのゴミ箱が置かれているのが見えた。
彼は慣れた足取りでゴミ箱に近づき、中を物色し始める。
その動きは、まるで熟練の探し物をするかのようだ。
近所の人々が彼を見て顔をしかめたり、目を合わせないように足早に通り過ぎたりする。
彼らの口元には「またあの人か」「相変わらず臭い」といった言葉が浮かんでいるようだが、ブライアンは気にする様子もなく、ただ淡々と作業を続けた。