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異国の味

 お菓子屋さんだと思って行ったお店は小さな喫茶店の様なお店だった。お店のドアを開けるとカランコロンとベルがなった。

「いらっしゃいませー!空いてる席へどうぞー」

 奥の方から元気な声がきこえてきた。

「お菓子を買いに来たんですけど、異国のお菓子だとか……ありますか?」

「ちょっとお待ちください。今行きますから」

 待ってる間キョロキョロと店の中を物色。お客様はいない様だ。

「本当にこんなお店で異国のお菓子なんてあるんでしょうか?」と小声で話していると若い女の子が出て来た。

 作務衣の様な格好をしている。

「え、作務衣なんて着てるの?」

「お客様、ご存知なんですか?うちのおばあちゃんの故郷の服です。宗教施設でお庭掃除するときに着てたって言ってました。作業着なんですけど、動き易いんで仕事着にしちゃってます」

 くるりと回ってファッションショーしてくれた。上が着物で下はモンペって感じで、生地はこちらの木綿素材に見える。頭には三角巾を被っている。

「おせんべっていうお米から作ったクッキーと今日はおだんごがありますよ」

「えっ、和菓子なの?緑茶もありますか?」

「お店で食べるならお出しできます。ほうじ茶もあります。よかったら食べて行きませんか?お昼過ぎたのでお客様もいませんし。どうぞこちらに座ってください」

 私たちはカウンター席に案内された。カウンターからは厨房が見えてもう一人女の子が調理しているのが見えた。


 メニューを渡されたが字が読めないのでチータに説明を頼むと

「もしかしてお客様はこちらのメニューが良いのかも……」

 差し出されたメニューは日本語で書かれていた。メニューにはけんちん汁や天ぷらがあった。

「おばあさんはお寺の人だったりして」

「しょーじん料理って言うのを真似したっていってました。お寺でご奉仕したら食べれたって。だんかって言ってたかな」

 おばあさんは3年前に亡くなったそうだ。若い頃戦争から逃れてこの国に来たらしい。

「ビーニジュークから逃げまどっていたらここに辿り着いたって言ってました。お客さんもしかしてトーキョーからですか?今までで初めてです、ニホンゴ読める人」

 話しながらお茶を用意してくれたので、とりあえずおだんごを頼んだ。あんこが添えられた串刺しのおだんごが出て来た。ちょっと固くなっているけど優しい味がした。そんなに和菓子やあんこが好きではないのに、異世界で食べるとあんこの甘さが気持ちをほぐししてくれる様な気がした。そしてお土産におせんべを買って帰る。これで小腹が空いても大丈夫!のりせんやざらめもあったので食べ飽きることもないだろう。エマ様やベルミナにもお土産に買っておいた。

 チータはあんこがはじめてだったが硬い蜜のようで美味しかったと言っていた。


 店を出る頃にはまた雨が降っていた。傘を差して馬車まで歩く。だんだんと雨が弱くなり止んでしまった。道はまだんかるんでいたが、おやつを抱えて足どりは軽かった。




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