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エマ様

 前領主夫人は現領主の伯母に当たるそうで、子供がいない為現領主が養子となり跡を継いだらしい。ドロドロの嫁姑関係を警戒しつつ前領主夫人の館へ移ることになった。

 その館はダワーハウスの様で、敷地内にあり、こぢんまりとした平屋の屋敷だった。

 前領主夫人はエマ様といい、王家に連なる家柄の方らしい。

「エマ様。こちらが異国のご令嬢ミコト様です」

「あら、東方の顔立ちね。行儀見習いという事で良いかしら?」

 行儀見習いとは……?ただでは住めないという事かな?

「行儀見習いとはどう言ったことを……」

「エマ様のお手伝いをしたり、お話し相手になったりしながらお作法や常識を身につけるんです」

「エマ様、どうぞよろしくお願いします」とカーテシーをしてみた。

 エマ様がジロリと上から下までチェックしている様で緊張してきた。

「そのドレスは丈がちんちくりんね。下着が見えてるじゃない。それに黒って未亡人じゃないんだから」

 なんとファッションチェックされてしまった。

「フリフリがちょっと見えるのが可愛いんですよ」とスカートをヒラヒラさせてみるとベルミナの雷が落ちた。

「まったく、下着を見せてどうするんですか!そういうお店に売り飛ばしますよ!そんな非常識だからエマ様に教えていただくんでしょう!!!」

 どんどん声が大きくなるベルミナをぽかんと眺めていたら

「ミコトさん、ここで生活できるかしら?いろんな違いを受け入れられないならここにいてもしょうがないわよ。あなたはどうしたい?」

 どうしたいと言われても、どうしようもないというのが本音だ。ここでほったらかしにされてしまうと生きてすらいけない。

「ご迷惑をお掛けしますが、色々教えてください。その先のことを一緒に考えていただけると助かります。どうかお助け下さい……お願いします!」とまた頭を下げてしまった。

「分かりました。ではうちの中の案内とわたくしの若い頃の服でも見てみましょうか、着替えないと外にも出られないわよ」とベルミナとともに館の中を案内してくれた。

 お城の様な本館に比べたら小さいだけで、邸宅と呼べるほどの広さがあり4つベッドルームに厨房、メイドルームに応接間と食堂の他待合室やサンルームというのがあった。

 それぞれ雰囲気の違う設えにちょっとワクワクしながらオタク拝見ツアーを楽しんだ。





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