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ど正論ヒーロー セイロンガー  作者: 月極典


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正論(28)クズオジかイケオジか


 江口麻里です。


 今日は五百旗頭令嬢誘拐計画の当日です。

本社駐車場でブラック・オウガを待っています。

現在、時間は集合時間の6:30です。


「くそーあのおっさん、初日から遅刻かぁ?」


「主任、やっぱりいらついてますね」


「あぁ、山口君ごめんねー。私情を思いっきり挟んじゃって」


「案件NG出した次の日に当該計画の実行責任者ですからねぇ、仕方ないですよ」


「これで私、完全に引っ越し確定だよ……」

 本当は引っ越しかどうかなんてどーでも良いんだけど……。


「あっ主任、来ましたよ!」


 ブラック・オウガが駐車場の入り口から、ゆっくりと登場です。

咥えタバコに、片手に……アレは缶コーヒーかな?持ってフラフラ歩いて来ます。


 全く急いでない……。


「……歩くの遅っ!」


「遅いですね、ウチの母親より遅いんじゃないかな?」


 あーあ、腰トントンしてるよ……。スーツは見た目めちゃくちゃカッコいいのに。


「おはようございます、ブラック・オウガ」


「あいっすぅ」


「遅刻ですよ?」


「んー、来たろ?時間通り駐車場に」


「しゅ、う、ご、う!6:30に!」


「朝からぎゃーぎゃー騒ぐな、いい女が台無しだぞ、あ、あ〜あ……」


「あくびしながら言っても駄目ですよ!」


「コイツらは?」


「ウチの戦闘員です」


「自分、リーダーやってます山口です」


「あーはいはい、山ちゃんね」


「じゃあ、出発しましょう。山口君、運転よろしく」


 バンが2台駐車場を出発しました。現地まで30分くらいです。


「えぐっちゃん」


「はい?」

えぐっちゃんって何だよ、一応上司だぞ。


「今日、えぐっちゃんは車で待機な?俺が戦ってる間に山ちゃん達が令嬢攫え」


「え?それでは計画が」


「いいんだよ、セイロンガーって奴にツラ見せたくねーんだろ?」


「それはまぁ、そうですけど……」


「えぐっちゃんが顔見せようが見せまいが計画の成否に影響はねぇから心配するな、山ちゃんもそう言う事だからよろしくな」


「はい!任せて下さい」


 えー、なんなの?この人もしかしてクズオジかと思いきや、イケオジ?


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