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ど正論ヒーロー セイロンガー  作者: 月極典


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正論(24)VVEI課長水沢雪菜


 あの、すいません……連続で江口麻里です。


 帰社しました。


 上司の水沢雪菜課長に指示をもらいに行きます。事情は電話で話してあります。


「水沢課長戻りました」


「お疲れ様、マリリン」


 水沢雪菜課長、私の大学時代の先輩でこの仕事を紹介してくれた人です。大学時代から私の事をマリリンと呼びます。


「課長は知ってたんですか?うちのマンションのオーナーがセイロンガーって事」


「勿論知っていたわ。だって、私も毎朝あの人に会っているんだから」


「ですよね、課長も同じマンションの上の階だし」


「そう、マリリンが管理人さんと話してたら一旦部屋に戻って話が終わった頃、下へ降りて挨拶しているわ」


 そこまでしてあの人と会話を……。


「課長がVVEIって事、勿論管理人さんに知られてますよね」


「いいえ、そんなヘマはしないわ。勤務先は前の証券会社のままよ」


「え!?でも、更新の時勤務先に電話いくんじゃ……」


「それは無いわ。問題がない限り更新時に勤務先が一緒の場合、ほぼ確認電話はしないものよ」


「そ、そんなぁ……。私、正直にVVEIに転職した事伝えたのに……」


「全く馬鹿正直ね、ヒーローがオーナーなのにヴィラン企業に勤めているなんて普通言わないでしょ?まぁ、そういう正直な所をあの人は気に入ってそうだけど」


「今日私、いつものボンテージに厚化粧で待つんだよ!って言っちゃったんです……」


「鞭は?」


「持ってますよ、仕事道具ですから!」


「ごめん……、ちょっと待って……くくくっ」


「何笑ってるんですか、課長!」


「あー面白い。ところで、話変わるんだけど知ってる?秋の大型アプデの件」


「いえ、全く……」


「大曲博士に聞いたんだけど、セイロンガーのヒーローマスクとスーツが着脱可能な変身仕様になるらしいわよ?」


「ええ!?それ、大ニュースじゃないですか!管理人さんの素顔が明らかに?」


「そうなの!ヒーローマスクでもあんなに素敵なんだから、脱いだらめちゃくちゃイケメンだと私は思ってるの。しかも、マンションオーナーよ?」


「課長……そうゆう下心、あの人見抜くタイプですよ?まぁ、私はヒーローマスクのままでも構わないと思ってますけど!」


「ちょっと、そんな事言ってると、また五百旗頭令嬢案件回すわよ?」


「うわぁ……パワハラ出たぁ」


「冗談よ。今日は外回りはいいから黒服の戦闘訓練行って来て」


「わかりました。失礼します」


 管理人さん、変身出来る様になるのかぁ。

くぅー、一回ご飯行きたい!んー、でも課長も明らかに狙ってるしなぁ……。ちょっと訓練しながらじっくり考えよ。


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