まるでひまわりのようだった
「じゃあ、休憩行ってきていいよ」
副店長からそう言われ、仕事にの緊張から一時間だけ解放された。
時刻は午後四時。
これじゃあいったい何食なんだろう。
あんまりガッツリ食べると夕食に響くし、かといって何も食べないのも疲労困憊の脳みそが働かない。とりあえず、最近ハマってるサンドイッチを買いに足を運んだ。
サンドイッチは四百円からと少しお高めだが、品揃えは良いし、何より美味しい。あと、並んでいるのを見たことがない。せいぜい一人くらいだ。一時間という限られた時間の中で考えると行かない手はない。
「いらっしゃいませ」と店員さんから声を掛けられる。普段は優柔不断だが何しろ時間がない。一番初めに目に着いた商品を告げ、ポケットからスマホを取り出す。支払方法を告げようと、顔を上げると、一瞬言葉を失った。花のような、まるでひまわりのような笑顔でこちらを見ていた。単なる営業スマイルかもしれないけど疲労困憊の私にとっては、疲れが一瞬なくなるくらい素敵な笑顔だった。
「……すみません、やっぱりもう一個追加していいですか?」
気が付くとそう告げており、商品また選んでいた。