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山ン本怪談百物語

暴走族

作者: 山ン本

こちらは百物語九十四話の作品になります。


山ン本怪談百物語↓


https://ncode.syosetu.com/s8993f/


感想やご意見もお待ちしております!

 昔、とある山道を車で走っていた時のこと。


 私の趣味はドライブで、仕事が休みの日には友達と色々な場所へ行ったものです。


 ある時、私と友達は「O山」の近くにある山道を車でドライブしていました。


 時間は夜の8時過ぎ。真っ暗な山道を走っていると、車の後ろからけたたましい轟音が聞こえてきました。


 「あぁ、こりゃ面倒なのが来そうだ…」


 私はすぐに「暴走族」だと思いました。O山の近くには暴走族たちの拠点がいくつか存在すると聞いていたので、覚悟はしていたのですが…


 「無視しておけば大丈夫だよ。何もしてこないよ」


 友達はそう言いましたが、正直かなり不安でした。何か逃げる方法を考えていたのですが、轟音は車のすぐ後ろにまで迫ってきていたのです。


 バックミラーを見つめていると、たくさんの光が後ろから現れました。


 暴走族の先頭集団が、とうとう私たちの車に追いついてきたのです。そして…






 ブーーーーーンッ!ブンブンブーーーーーーーーーーンッ!






 暴走族たちは私の車をバイクで囲むと、あの嫌な爆音を煽るように奏でながら、次々と私の車を追い抜いていきました。


 「…あれ?」


 友達が声を上げた。何かあったのかと聞こうと思ったが、友達は前にいる暴走族たちを無言で見つめています。


 しばらくすると、私の車に張り付くように1台のバイクが運転席の隣で走り始めました。ふと、私は隣で走るバイクの運転手の顔を見てみようと、窓からバイクをチラ見してしまったのです。


 驚きました。


 バイクに乗っている運転手には「首」から上が存在していなかったのです。


 さらにしばらくすると、ほかのバイクが車の近くで煽り運転のような行動を繰り出してきました。


 「………っ!?」


 煽り運転を繰り返す暴走族たちを見てみると、顔が不自然に歪んでいたり、目玉がなかったり、下顎が削れるように消えていたりとありえない状態になっていたのです。


 私と友達は暴走族たちの煽り運転を精一杯無視しながら、早く広い道に出れることを必死になって祈っていました。






 この長い山道を抜け出し、コンビニの灯りが見えてきたのはどのくらい走ってからだったか覚えていない。


 気がつけば私たちはあの山道を抜け、暴走族たちの煽り運転から抜け出していた。


 あの暴走族たちは一体何者だったのでしょうか。


 暴走行為はとても危険な行為です。あれはおそらく、亡くなった暴走族たちの無念の魂が集まって出来た「百鬼夜行」のようなものだったのではないでしょうか。


 皆さんも、夜中に出くわす暴走族たちにはご注意を…

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 暴走族というだけでも怖いのに、それが幽霊で尚且つ身体の各部位が著しく損傷しているのですから、怖さも三乗ですね。 事故死したのは不必要な危険運転をした彼ら自身の落ち度なのですが、そうした自分…
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