第一回
元の句
鳴かぬなら 殺してしまえ ほととぎす
答えの句
殺されて たまるか鳥が かごを出る
注釈
やらせるかよ! やらせるかってんだ! はん! 天下人だかなんだか知らねえが、この俺がそんな簡単にやられてたまるかってんだ! こんなちゃちな鳥かごなんて――こうしてやる! どうだ! 見たか! これで俺は自由の身だ! あばよ、信長! 俺は大空をはばたいて行くぜ!
誰だって殺されたくはない。織田信長の気性の荒さを詠んだ一句に対する、作者ポンコツT渾身の答えの一句である。
元の句
古池や 蛙飛びこむ 水の音
答えの句
おい蛇だ! 蛙飛びこむ 水の音
注釈
おい、蛇だ! 蛇の野郎が来たぞ、こんちくしょう! みんな、逃げろ! あの古池の中へ飛び込むんだ! へへへっ、水の中なら追いついて来れまい? もう安心だ。あれ? でも、蛇って確か泳げるんじゃ……。
静寂だの、余韻だのを表現した芭蕉の歴史的名句。その一句を、躍動感あふれるダイナミックな活劇的一場面へ詠み替えた、作者ポンコツT渾身の答えの一句である。
しかもこの蛙は一匹ではない。逃げ惑う蛙たち。次々と蛙が飛び込み、立ち上る水しぶき。そんな情景が目に浮かぶようである。
元の句
やれ打つな 蝿が手をすり 足をする
答えの句
もっと打て! Mがしり上げ ムチを見る
注釈
いいぞ! もっと打て! もっとこの俺のしりを打ち据えてくれ! ああ! 女王様! そう言って、M男が物欲しそうに女王様の手中のムチを見つめている。
蝿の動作を命乞いにたとえた小林一茶の一句。その一句を変態の哀願に変換した、作者ポンコツT渾身の答えの一句である。