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シンビオシス

 一日かけて歩き続けると突然町が見え始めた。大きさはビギニングと同じくらいの面積だ。

 真ん中には巨大な城が立ちその周りに家などが立っているように見える

「ようこそ。魔族最後の町、シンビオシスへ!レイジ様!」

 3人が声を揃えて跪いて頭を下げるのをみて驚いて止めて話を逸らそうとする。

「お、おい。どうしたんだよ。エリザベートまで。お前ってそんなことするタイプじゃないだろ。それに最後の町って、ここだけにしかもう魔族は住んでいないのか?」

 するとエリザベートはめんどくさそうな顔をしながら頭を上げた。

「あんたね、人のことなんだと思ってるのよ。あなたがクロをテイムしてる時点で魔王の生まれ変わりなんだから仕方ないじゃない。それと魔族はここ以外にも住んでるわよ。けど小さい村みたいな感じね」

 そんな話を続けながら歩いていると俺はあることに気がついた。

「そういえば意外に人間がいるんだな」

「別に私達魔族は人間が魔族を拒絶しているほど人間を拒絶していないにゃ」

 クロが答えるとそれに続くようにエリザベートが答える。

「旅人とかの魔族に対して友好的な人間は基本的に歓迎してるわね。それで内部の情報を流されたりしたこともあるけど、歴史を知って魔族の印象を変えようとしてくれている人達もたくさんいるわ」

 ほとんどの人間が魔族を嫌っているのだから、当然魔族も人間を嫌っているのだろうと思っていた俺からするととても意外な話だった。

「なるほど、それで俺たちはこの町のどこ向かってるんだ?」

 今度はクロが答えた。

「それはもちろん、魔王城しかにゃいでしょ?あの大きい建物が魔王城にゃ」

 クロが示した先にはいかにもといった感じの禍々しい感じの巨大な城が町の中心に聳え立っていた。

「でかいな」

「そりゃそうでしょう」

「それであそこに行ってどうするんだ?」

 聞いてみるとクロは少し悩んでから答えた。

「うーん、とりあえずは他のみんにゃに紹介するところかなかにゃー」

 そう言うとクロは珍しく人の姿のまま歩きはじめた。


 魔王城の門に到着すると門番が一斉に頭を下げて門を開けた。

「うわ·····な、なんだ」

「あんたを迎えてるのよ。すでに次の魔王って情報は行き届いているからね」

「まぁ今は私とエリーを迎えてらような感じでレイジは値踏みされてるようにゃ感じかにゃ」


 そのまま門をくぐって城の中に進むと今度は豪華な服を着た魔族たちが跪いて俺たちを出迎えた。

「おかえりなさいませ、クロ様、エリザベート様。そしてようこそお越しくださいました、次期魔王候補レイジ様」

 するとクロが前に出て出迎えた魔族に詰め寄った。

「出迎えご苦労様。ひとつだけ聞きたいことがある。何故レイジが魔王ではなく次期魔王候補にゃんだ?」

「先日あった幹部会議で決定したからです。詳しくは幹部の方々からお聞きください。既に全員集まっております」

 そう言われるとクロはあっさり引き下がり城の奥へと進んでいった。

 すぐにその後をエリザベートとバトラーは進んでいった。

 俺も一瞬遅れて戸惑いながらも三人の後を小走りで追いかけて奥に進んだ。

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