決心
彼は魅了を発動した。
「落ち着くんだ」
彼に従い、クラスメイト全員が一瞬にして静かになった。
これで騒動は一旦収まったわけだ。これから彼はどうするのか。
彼はクラスメイトの中に犯人がいないか質問した。魅了されているので正直に全員答える。当然誰もいない。
自分のクラスメイトに犯人がいないことを知って安心したのか、一息ついた。
そこから彼はこの状況を立て直し始めた。
元々セットを作っていた係の人間に指示役を任せ、クラス全員で新しくセットを作り始めることになった。
委員長はクラスの中でもトップクラスに不器用だったため買い出しやゴミ捨てなどの雑用係に回っていた。
上手く立て直すことができてこの調子でいけば本番までには間に合うと言う状態にまで持っていった。
そんな中委員長は1人で行動することが多くなっていった。
クラスメイトは度々いなくなる委員長の所在を気にしていたが、流石の信頼なのか不審がる人はいなかった。
その頃彼は何をしているかというと、トイレ休憩などで他のクラスメイトから離れた人に接触をしていた。
「君はこの事件の犯人か?何もしないから私にだけに話してほしい」
「いえ、違います」
「そうか、ありがとう。このことは誰にも言っては駄目だよ」
「はい、分かりました」
1人1人総当たりで犯人を探していた。
犯人なんてものはその世には存在しないんだけどな。