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魅了無効
「何故だ、どうして魅了が効かない?」
委員長は能力が効いてないことにうろたえている。
別に俺は能力を封じたわけではない。与えた能力の性質が問題なのだ。
俺が与えた魅了の能力は相手の好感度を無理やり引き上げるというものだ。
だから今までは使った瞬間に言う通りに動いてくれた。
では今回何故無効化されたのか?
それは魅了による好感度の上昇より怒りが上回っていたからだ。それにより魅了が打ち消され怒りだけが残る。その結果何も起こらなかったのだ。一瞬静まったのは二つの相反する感情がぶつかり合ったためだ。
委員長はそんなこと知る由もない。ただ茫然と非難を受け続けるだけだ。
そんな彼を遠くから不敵な笑みを浮かべながら見ている男がいた。
委員長はそれに気づいたようだ。