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槍玉
「一応準備する時の予備として持ってきただけだよ」
委員長は先ほどと同じように説明をした。
大体はそれで納得したのだが、一部の人間はそうはいかなかった。
「それでなんでナイフ持ってきてんだよ」
割と真っ当な指摘である。
委員長は持ってきた理由など本当はないので返答に困る。
それを見たクラスメイトはより疑惑が浮上する。委員長が犯人じゃないかと。
しかし委員長も被害者の一人である。だからありえないと他の人が主張した。
議論は平行線になり、疑われている委員長は口を挟めないでいた。
そんな中、一つの意見が挙がった。
「あれだけの大事故だったのに委員長に傷一つないのは何故なんだ?普通なら小さな怪我くらいするはずだけど。怪我しなかったのは倒れてくるのを事前に知っていたからでは?」
実際には的外れな意見ではあるが何も知らないクラスメイトにとっては決定打となる意見だった。
こうして委員長は犯人として吊し上げられることになった。