6.信念の拳
狐兄弟の綺麗な連携攻撃を躱していくダンス。
ダンス「ふんっ、想像していたより全然弱いな。」
狐兄「なんだと…?」
狐弟「言ってくれるじゃん!ねぇ 兄貴!」
狐兄「あぁ、舐められているな。」
狐兄弟はダンスを本気で殺しにかかる。
ダンスの足に兄の足がかかる。
その瞬間を弟は見逃さず、胴体でドロップキックを入れた。
ダンス「くっ。」
狐弟「誰がそれほどでもないって?」
狐兄弟は徐々にダンスを追い詰めていく。
そして、兄の掌底がダンスの顎に入った。
ダンス「がふっ…。」
弟「さっさとやろう、兄さん。」
兄「トドメはくれてやるよ。」
そう言われ、狐弟がトドメを刺そうとした瞬間
パシッ
弟の手を誰かが掴んだ。
ガンジュ「おい、お前 ウチの仲間に手ェ出すな。」
ガンジュはそう言うと 弟を投げ飛ばした。
狐兄「ウチの仲間ってことは、あんた 悪夢か。」
あぁ、そうだ。
誰かが言った。
ダンス「くっ…キング!」
キング「我々の仲間に手を出すとはいい度胸じゃねぇか。」
そこには、悪夢のメンバーが揃っていた。
狐弟「悪夢が揃うと、かなりキツいね。」
ガンジュ「安心しろ、全戦力でてめぇらは潰さねぇ。俺1人で十分だ。」
狐兄「何…?馬鹿にするんじゃねぇよ!」
そう言って 兄はガンジュに殴りかかるが、簡単に止められる。
ガンジュ「馬鹿にはしてねぇよ。ただ、弱いという事実だけだ。」
狐弟「俺達が弱い…? ハハ ムカつくなぁ!!」
狐兄弟はガンジュを潰しかかる。
兄の右フックをガンジュは躱し、弟のみぞに蹴りを入れる。
兄はパンチを連発するが、ガンジュにはまるで効いていない。
ガンジュは兄を投げ飛ばした。
ガンジュ「こんなものか。」
狐弟「はぁ…はぁ…。まだ俺達を馬鹿にするつもりか…。」
ガンジュ「てめぇらは何でこんなことをしている?」
狐兄「俺達は学校じゃあ優等生だ。あそこじゃこんなことは出来ない。ストレスが溜まって仕方ない。」
ガンジュ「だから、こんなことをしてるのか?」
狐弟「あぁ、そうだ。」
ガンジュ「くだらねぇなァ。」
狐兄弟「貴様がどう思うと関係ない!」
ガンジュ「もう分かった。てめぇらは屑だな。」
狐兄「屑だと…?まぁ、何でも構わん。ここで貴様を潰せば俺らの正義がまかり通るって訳だ。」
ギア「正義だと…?ふざけるな!やり合ってる時点で正義も悪もないんだよ!」
狐弟「くっ…。」
ギアの言葉に気づかない狐兄弟。
狐兄弟の連携攻撃に押されていくガンジュ
狐兄弟「これで終わりだー!!」
2人のダブルバレットを両手で止める。
狐兄「なに、、、、。」
ガンジュは弟の腹部にパンチを入れ、投げ飛ばした。
狐兄「段!」
加えて、ガンジュは兄をボコボコにした。
弟「くっ…そ…。」
ガンジュ「お前らの言い分はよく分かった。だがな、そんなことをしてお前らの気持ちを本当に晴れるのか?俺がギャングになったのは、ただ人を殴りたいからだった。でも、キングに変えられたんだよ。誰かを守るために自分の信念を守るために手を出すと誓った。お前らを救ってやる。」
ー俺たちと共に来い。そうすれば、てめぇらのストレスも晴れ、犯罪者も潰せる。利害は一致する。
ガンジュの誘いに2人は…
狐兄「誘いは嬉しいが、俺たちはそんなことをしている場合じゃないんだよ。暇でストレスが溜まってたからしたんだ。」
ガンジュ「ふんっ。」
ガンジュは笑みを浮かべた。
狐兄「俺達が無事に全てを終了した暁には、入れてもらおう。そっちの方が楽そうだ。」
ギア「ガンジュの野郎…勝手に決めやがって。」
キング「まぁ、いいだろう。俺も嫌いではないぞ?ああいうヤツらは。」
ガンジュ「分かった。ならとっとと帰れ。サツがパクリに来るぞ。」
狐弟「そうだね。お暇しよう。兄さん。」
狐兄「あぁ。」
兄は重い腰をあげて呟いた。
ーサンキューな、ガンジュさん。