14.約束の場所で
ギアとグロームが出て行った後、キングとガンジュは二人で黄昏ていた。
ガンジュ「キングぅ。」
キング「ん?何だ?」
ガンジュ「もし、あいつらが問題起こしていなかったら、どうやってダンスを取り戻していたんだ?」
ガンジュは真剣な眼差しでキングに問い詰める。
そんな姿を見て、キングもまた真剣になる。
キング「正直言ってやることは変わんねぇよ。」
ガンジュ「は?」
キング「あいつらが遅かれ早かれ問題を起こすのは分かってた。それに、問題を起こしていようが、起こしていなかろうが、俺の作戦は何一つとして変わらない。」
ガンジュ「どういうことだ?」
キング「俺の作戦はな...」
淡々と自分が考えた作戦を話し始めた。
ガンジュ「グハハハハハハ!」
キング「何だ、その笑い方気持ち悪いな。」
ガンジュ「だってよう、あんな真面目な顔して作戦を思いついたなんて言うから、すげぇ作戦なのかと思ったが、レベルはあいつらと変わんねぇじゃねぇか!」
キング「く...。」
ガンジュは大笑いする一方、キングは軽く頬を赤めている。
ガンジュ「だがよう、その作戦...」
ーーー乗った!!
キング「はぁ?」
ガンジュ「最高に面白いじゃねぇか!その作戦。」
キング「ハッ、やっぱりお前は面白い。」
ガンジュ「それ、決行するぞ。」
キング「勿論だ。」
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〈翌日〉
二人は、「鈴木コーポ」に向かった。
警備員「どなたですか。」
キング「ここの社長に用事があるんです。」
警備員「許可証はお持ちd...。」
父親「問題ない、ここに私は居る。」
警備員「社長、お早うございます。」
キング「お久しぶりですね。」
父親「久しぶりだな、私に用があるのだろう?外に出よう。」
何かを察したのか、外へ誘導してきた。
父親「何の用かね?」
キング「光を返していただけませんか?」
父親「返してくれ、とは意味が分からないことを言うんだな。
光は私の娘だ。どうしようと私の勝手だろう。」
キング「自分の子供は奴隷じゃねぇんだよ。いくら血が繋がっているとはいえ、子供の人生までレールを作る必要はない。」
父親「君はまだ子供だからわからんのだ。」
ガンジュ「何だと..」
キングは静かにガンジュを制止する。
父親「まったく、君の父親はとても優秀な人なのに...。」
キング「親父は関係ないだろ。」
父親「何故、君の父親はこんな下らんことを許したんだ?」
キング「五年前...」
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湊「父さん。」
父「ん?どうかした?」
湊「俺さ、ヤンキーになるよ。」
父「普通のか?」
湊「いや、犯罪者をぶっ飛ばしたいんだ。」
父「だったら、警官になったらいいんじゃないか。」
湊「警察は国家の犬だ。権力なんかに踊らされたくない。」
父「警察が嫌いなのは、俺と変わらないな。」
湊「許してくれる?」
父「許すも何も人から許可を貰おうとするな。自分のしたい事なら、人の意見を気にする必要はない。」
ーーー男なら信じるものくらい、自分で決めたらいい。
湊「どっかで聞いたことあるセリフだね笑」
父「パクリじゃねぇよ?引用だ。」
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キング「親父は、人を見た目で判断しないし、意見に対して否定・弾圧はしない。」
父親「ふんっ!そんなことは聞いていない。」
キング「あなたが会社を大きくさせるために、反社と関わっていることは知っています。」
父親「会社を大きくするためには...」
キング「綺麗事だけじゃ務まらない と?分かってるんですよ、そんなこと。」
ーーーそれでもやっちゃあいけねぇことはある!
父親「....。」
キング「三日後、待ってますよ。あなたと親父の約束の場所で。」
キングはその場を離れた。
ガンジュ「うちの総長、馬鹿にしたら許さないからな。」
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グローム「ギア!」
ギア「ん?」
グローム「あの男、反社との関わりがあるみたいだ。それに、三日後黒須江公園に来るそうだ。」
ギア「仕掛けるのはその時か。」
二人も内密に作戦を立てていた。