第80話 無理矢理なのが否めねぇ
30の行事です。タイトル通り、無理矢理なのが否めねぇ
体育祭
文化祭
入学式
卒業式
修学旅行
大学見学
球技大会
マラソン大会
遠足
これくらいはすぐに出る。
“大学見学”なんかは高校ならではの行事じゃあないかな。
“マラソン大会”は無い学校もあるかもしれない。
しかしまだ9つ。30には程遠い。
難易度が上がるのはここからだ。
離任式
生徒会役員選挙
始業式
終業式
前期中間テスト
前期期末テスト
後期中間テスト
後期期末テスト
外部模試
誰かの講話
何かの講話
20つ出た。
もう答えがかなり苦しくなってきてることがわかるだろう。
各テストの答え方なんてズルいだろ。
もっと酷いのが“誰かの講話”“何かの講話”だ。
学校に誰か(大学教授とか医者とか)が来て何か(エイズとか薬物とか)について講話をするやつ。曖昧すぎる上に、一つにまとめれる答えをわざわざ二つに分けている。
かなり答えるのに苦しいのだろう。
しかし戦いが熾烈を極めるのはここからだ。
もうここまで来ると回答者は綺麗どころしか残っていなかった。
男とブス女はとうにいなかった。
夏休み
春休み
冬休み
非難訓練
センター試験
インターハイ予選
甲子園
スポーツテスト
プール開き
身体測定
これで30だ。
“非難訓練”…言わずと知れた美少女・山崎さんが答えた。
前話でこれを答えた山崎さんに俺が
『ナイスだせ』
と発言した理由がわかってくれたかと思う。
その前の答えが“夏休み”“春休み”“冬休み”だぞ!?
学校行事でもなんでもねぇよ!だって学校休みなんだもん。
それに比べりゃ山崎さんの回答は素晴らしい。
そのほかも学校行事とは言えないようなものばっかりであるが勘弁してほしい。
ないんだもん!
しょうがないじゃん!
そんなに沢山行事があるわけないだろ!
調子にのるな!
そして最後は武さんの“身体測定”で締められた。
武さんらしい地味な答えだった。
いい答えだった。
行事かどうかは微妙だけどね。
「さて、暇も潰れたところで本題に入ろうか?」
なん………だと?
スガさん…いや、菅井!どーゆーことだ?
本題があるのなら最初っからそれをやれよ!
「高校二年生といえば何だと思う?高二にしかないものだが…あ、中三にもあるかな。どうだ?田中」
菅井は田中くんを指名した。
「受験勉強を始める」
勉強大好きだな田中くん。ザ・優等生ってか?
「確かに高校受験は三年生になってからで間に合うな。しかし大学受験はそうはいかない。二年生の内から準備しないといけないからな」
そうなのか?田中くんはもう受験を意識してるのか!?すげーな。
何の危機感も持ってない俺はやばいか!?
いや、まだ大丈夫だろ。
「田中のは学生としては素晴らしい回答だ。でも不正解。先生が求めてる答えはもっと楽しいものなんだよね」
まあそうだろう。
「わかってます。正解の答えもわかってます。でも言いません」
何故言わない?
田中くんは反抗期なのか?
「わかってるなら言いなさいよ。高校生活最大最高のイベントでしょ?」
「じゃあ、そのイベントを望んでない人は?楽しいと思わない、むしろ苦痛に感じる人は?」
何を言い出すんだ?
「僕は嫌なんだ。何でこんな行事があるんだよ。学校は勉強する場だろ?勉強だけやってればいいんだ。こーゆー行事は全くもって無駄なんだよ。僕にはこれをやる意味がわからない。というか嫌いなんだ。自分がその行事に参加していることを想像するだけで反吐が出る。辛いだけなんだ。………僕のような生徒もいることを覚えておいてください」
菅井も皆もア然…
何かあったのかよ!?
「…お、おう」
うろたえる菅井。
「あ、……うん…」
話しづらい菅井。
「…修学旅行のことは今度に話します………」
心が折れた菅井。
話せよ!
俺は修学旅行楽しみにしてるぜ!?
田中くん………何でなんだい?
菅井を困らせたかっただけなのかい?
なかなか修学旅行に行けないね