表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/126

第7話 努力の人

年末って忙しいッ

もしインドに転校したら初日の朝、ナンくわえた女の子とぶつかるのかな。


そんなこと考えながら登校中の俺です。チャリこいでます。


うちの高校は近くに電車も通ってないのと学力が中の上とそれほど高くないので遠くから来る人がいないくて地元民ばかりなのでたいていの生徒は自転車通学だ。

そのなかでも50分かかる俺はそうとう頑張ってるほうだ。一時間半かけてくるバカがいるがこいつは例外だ。


今でこそ普通にチャリをこいでいるが俺は中三までチャリに乗れなかった。

だから電車通学できるレベルの高い学校にいこうとしてたのだが、学力では足りてたのだが俺は基本的にだらしなかったので、成績が学力の高さでカバーできないくらい低くてそこをあきらめるしかなかった。

そして今の学校を選んだのだが、受かってからが大変だった。

涙の中学卒業式が終わって高校入学式が始まるまでの間の春休みは全て自転車の特訓に消えた。

先生は加藤・高橋・増田のいつものメンバーときどき姉だった。

高橋は自転車が乗れない俺のことをバカにしながらも丁寧に教えてくれたのだが残りの二人は基本的に役立たずだった。

加藤は最悪だ。俺が練習してる公園に中学の同級生の女子を呼ぶんだ。そして俺の応援をさせるんだ。

死ぬほど恥ずかしかったぞ。

「まだ自転車乗れないんだ…頑張ってね野田くん!」

「私だって小三まで乗れなかったな〜。野田くん頑張れッッ!」

なんて言われてみろ。一生のトラウマだ。加藤は本当に死ねばいいと思ったね。

増田はというと、なぜかずっと一輪車の練習をしてた。俺が練習してる間ずっと公園の隅で一輪車に乗っていた。

たまに俺のほうを向いて

「俺もできないんだから頑張ろうぜ!」

って感じの笑顔をしてくるので軽くイラッとした。

最終的に一輪車に乗りながらその場で凄いスピードでクルクル回ったり縄跳びしたり、大道芸じみたことができるようになっていた。

あいつは何者なんだろう。

この三人のときは加藤の件はあったがまだ楽しかったのだが、姉はただつらいだけだった。

思い出したくもないッッ!

あれはヒトがヒトにする行為ではないッッ!



これがもし隣に住んでる幼なじみの女の子との特訓だったらとんでもなく素敵で楽しいイベントだったのだろうが悲しいかな、お隣さんは未亡人…

まあそんなこんなでとんでもなく運動音痴な俺でも高校が始まるまでになんとか自転車に乗れるようになったんだ。




「次は彼女が出来たときのために二人乗りの練習をしたいと思っているんだがどうかな?」

学校に着いて高橋に提案してみたんだがシカトされた。


イラッとしたのでとりあえず高橋の靴の中にてんとう虫を10匹ほど入れといた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ