第75話 大いなる飛躍
朝、二度寝を我慢して書き上げました。是非読んでください!
「俺はパパさんママさんのこと何て呼べばいいかな?」
「ん〜〜〜どーでしょ〜」
「パパさんって恐い人だったりする?」
「ん〜〜〜どーでしょ〜」
どうも野田です。
彼女が長嶋監督の真似をしてます。
「『お父さん』なんて呼んだら『君にお父さんなどと呼ばれる筋合いないわ!』ってなる?…あっ長嶋監督の真似はしないでね」
「似てた?…というかそんなコントみたいな人いないでしょ!普通でいいと思うよっ」
その普通がわかんないんだけど。彼女の親と会うなんていう経験初めてですもん。
「じゃあ山崎さんと同じ呼び方するっ。何て呼んでるの?」
「わかった。絶対呼んでね!パパ・ママだよ」
「…初対面の人にパパ・ママなんて呼ばれたらどう思う?」
「『何コイツ?』ってなるかな」
笑いながら何言ってんですか!?
「でももう決めた事だからねっ!」
「せめてパパさんママさんにさせて下さい!」
「え〜〜〜」
スッゴい楽しそうだな山崎さん。
「いただきまーすっ」
俺と山崎さんが隣り合って向かい合って山崎さんパパ・ママがおります。
一人っ子の核家族山崎家オールメンバー+俺。の形。
そうです晩御飯をご馳走になってるのです。
緊張ハンパねぇよ!
「遠慮せずどんどん食ってってな!」
「ど、どうもっ」
初めて見る山崎さんパパ………ダンディ!なんか昭和のスターって感じ?
すらっと伸びた足、はっきりした目鼻立ち、健康的な浅黒い肌。
自慢のお父さんだな。娘とは似てねぇけど。
そんなことより、どうしよう。
スッゴいどーでもいいことだけど………お寿司なんだよね。晩御飯にお寿司取ってくれちゃったんだよね。
………なんか難しいよね?
どれを取っていいんだい?
タマゴ?いなり寿司?カッパ巻き?
そんなもんにいきなり手ぇ出すと相手に遠慮してる事がモロバレだろ!
なんか小せぇ男みたいでダメだ!男は何事にも堂々としてないとダメだ!
パパさんに悪い印象は与えてはならん。
だからといってマグロとかイクラとかに真っ先に手ぇ出すのも違うだろ。
図々しい奴に思われてしまうぜ。
いや、逆にどんな場でもどっしり身を構えれる男だと思われるか?
だな!マグロから行こう!
………タコうめぇ。
やっぱマグロは段階を踏んでからねっ。
「生魚は大丈夫よね?」
「大丈夫ですよっ」
むしろ魚は大好きだ!肉より魚のほうが好きだ!
ママさんも初めて見る………ぽっちゃりさんだ。
でも低身長で白い肌で顔もどこと無く娘と似てるねっ。
「野田くんも香織も付き合いだして短いわけじゃないでしょ?」
「そうですね、三ヶ月ぐらいですね。だよね?」
「そうだねっ」
「それなのに何でまだ名字で呼び合ってるの?」
「変えるきっかけがないんです。だよね?」
「そうだねっ」
山崎さん、ニコニコしてんな〜。
カワイイなぁ。
「きっかけ?………あぁ!結婚のことね!」
ママさん思考が飛躍した!
「雄一さんどうする!?この子達もう結婚考えてるわよ!」
そんなこと言ってねえ!
「本当なのか!?…いかん、泣いてしまうっ」
なんだこの親!
俺と山崎さん顔を見合わせ………照れる照れる照れる!
「香織が選んだ相手だ、俺は文句なんか言わん。でも野田くん、ケジメというのはしっかり付けてもらいたい!」
何だこの展開?
アレか?アレを言うのか?
「お嬢さんを僕に下さい!」
「分かった!娘はやる!幸せにしてやってくれ!」
何か婚約成立した?
意味がわからん!
何だこの親!
俺と山崎さんは顔を見合わせて………照れる照れる照れる照れる照れる照れる!
決めた!
本当に結婚するまで『香織』とは呼ばない!
さて、晩御飯もいただいたことだしパズルの続きをしましょうか。
次からはまた爽やかな下ネタでいきます。