第65話 究極を求めたら去勢
オンバトの第11回ファイナリスト決まりましたね!作者的にはラバーガールがファイナル進めんかったのが『あれ?』って感じです。流れ星はヨカッタ。大好きなコンビです!………でも今回のファイナリストはトータルテンボスに勝てるのだろうか。
なんでこうなった?
わからない。
いや、本当は漠然とわかっている。
自業自得。
ついついいらんことしてしまう自分のせい。
こんな性格の俺のせい。
こんな性格に育てた親のせい。
いらんことをさせるきっかけを作った高橋のせい。
親のせいや友人のにしてしまうこんな自分に嫌悪する。
自己の保身に走る汚い大人が嫌いだった。
そんな大人に近づいているのだろうか?
恐い。
そんなのイヤだ。
いっそ死にたい。
いや、死ぬのはいやだ。
それは全てから逃げることだから。
それは自身も含め誰も幸せにならない手段だから。
でもこの状況からは逃げたい。
詳しくは覚えてないが、かのジョセフ・ジョースターも逃げることを肯定するようなことを言っていた。
だから逃げることは恥ずべき行為では無い。
明日に繋がる優秀な手段なのだ。
だから逃がしてくれ。
「もういい加減にしてくれよ!」
俺は悲痛な叫びをあげた。
「そんな喋り方可愛くない!あと表情も!」
「勘弁、してください…!」
「今のはいい感じよ!」
「カワイイカワイイっ」
「………ポイントわかってきたんじゃない?」
こんなやり取りをもう何回しただろうか。
今は放課後、俺はクラスの女子数十人に囲まれていた。
………スカート穿いて。
………ネクタイがあるべき所にはリボンを付けて。
最初、島さんの制服着させられた状態で島さんと山崎さんの二人に見られてただけだったのだが、いつの間にかクラスの女子が集まりだし、熱が入り、こうなった。
彼女らは俺をどこまで女にできるか挑戦しているらしい。
凄い熱気だ。
本気だもの。
………顔に何か塗られました。
何とは言わない。言ったら立ち直れなくなる。
鏡なんて絶対見ません。見たら立ち直れなくなる。
………髪の毛も弄られました。
商品としての人毛を頭の上に乗せられました。
自分のじゃない毛が肩まであるのを感じるんです。
それだけでは飽きたらず
………スネ毛、剃られました。
『剃り痕が残るのはマイナスだから』
と、クリームみたいなので本格的にやられました。
………ウデ毛も同様です。
『夏は露出が多いからこーゆーケアは抜かり無く!』
らしい。夏だからこそ!
露出の多い夏だからこそ!
スネ毛がないと恥ずかしいですって!
半ズボン穿けないじゃないですか!
と、抗議したのがとても昔に感じる。
女の子にスネ毛が生えてたらおかしいでしょうが!
スネ毛が生えたままスカート穿く女の子がいる!?
馬鹿じゃないの!
そう怒られたのをよく覚えている。
マジ理不尽だ!なんで俺のほうがおかしなこと言ったみたいになってんだよ!
チクショウ。
今ならロッテンマイアーさんに怒られてたハイジの気持ちがわかる。
でもロッテンマイアーさんの方がいい人だ。
俺はハイジを何度も見たからわかる。
ロッテンマイアーさんの厳しさはハイジやクララの為を思って出てくるんだ。
それに比べて彼女らは自分達が楽しむ為だけだ。
エゴイスティックだ!
「それじゃスカートめくってみよーか」
………そんでもってサディスティックだ!
なんてこと言うんですか!?島さん!
「マジですか?」
「マジで見たい」
なんなのこの人!
「私は………パンツが見たいって訳じゃないんだよっ………その…羞恥に染まった表情が見たいというか………」
何言ってんすか山崎さん!?
「早くめくれよ!めくって欲しいのかよ!」
なんか恐ろしい人もいるんですけど。
「だったら私、めくりたいんですけど………」
だから何言ってんすか山崎さん!
「………自分で…やります」
俺は、泣きながらスカートをめくり上げた。
「「「「トランクスじゃん」」」」
え?
俺を囲む女子数十人が同時にそう言った。
落胆を含む声で。
「完璧に忘れてたわ〜!やられたー!」
なんで忘れることがあるんですか島さん!
トランクス穿いてることぐらいわかるでしょうが!
てかみんな忘れてたのか!?
「まあ…表情はよかったよ………でもねぇ」
山崎さんに変なとこ褒められた。
でも満足してない!?
なんでそんなにトランクス穿いてることを予測できなかったんだよ!
「もうアンタは去勢しんとわからんのかね!」
恐ろしい人いるんですけど。
またなんか俺が間違ったことした感じの空気になった。
なんでだ!?
マジ理不尽だ!
………高橋とかもうしらね。
町田送っといたしいいだろもう。
高橋とかもう知らね!