第63話 ハートのラブレター
バイオハザードは何度見てもおもしろい! ミラジョボビッチが好きすぎる! 今回は高橋がテンション高めです。
「これは何だい?」
教室に入ってくるなり高橋に声をかけられた。
高橋は手に持ってる紙を俺の目の前に掲げた。
「ラブレター?」
「これは何だい!?」
「だからラブレターじゃね」
なんかテンションたけーな。高橋がめずらしいな。
朝からうぜぇけど。
「そうだよ! ラブレターだよ! 開け口にピンクのハートのシール貼った“これぞラブレター”ってラブレターだよ!」
「どうしたんだよ、コレ? 拾った?」
「朝、玄関ん中に入ってたんだよ」
「誰の?」
「俺のだよ! なんか俺がラブレター貰ったこと信じてねえな」
思い出した。日曜日が濃すぎて忘れてたけどやっと思い出した。
そのラブレター俺が仕込んだやつだ。
・・・昔の俺め、めんどくせぇ伏線張りやがって。
「うれしそうだな」
「超うれしい。だって書き始めが“一目惚れって本当にあるんですね”だぞ! しかも字綺麗だし。絶対可愛いじゃん!」
「それで絶対可愛いかは定かではないだろ」
「文体から伝わってくるんだよ。育ちの良さが」
書いたの俺の姉ちゃんだぞ。育ちなら家族といえど俺のほうがいいぞ?
「書き始めのあとは“体育館裏で待ってます”だけだぞ。手紙といえど恥ずかしかったんだな、きっと無垢で純真な子なんだよ!」
書いたの俺の姉ちゃんだぞ。不純・不条理・理不尽の体現みたいなやつだぞ。
てか高橋舞い上がってるな〜。冷静なやつだから正直ラブレターなんていう絶滅危惧種信じるなんて思ってなかった。
以外と単純なやつなんだな。
「高橋は今のところ彼女はいらないんじゃなかったのかよ?」
昔、そんなこと言ってたじゃあないか。
「そんな気持ち、ラブレター発見した瞬間にどっか行った。これほどうれしいものだとは自分でも驚いてる。うれしすぎる」
「じゃあ体育館裏に行くんだな?」
「ええ! 俺は紳士だから彼女の気持ちを踏み躙ることなんてしない」
こいつおもしれえ。
さて、高橋にはどんなオチを用意するかな?
1、町田に体育館裏に行くよう仕向ける。
2、女装した加藤に待ち構えさせる。
3、無視。高橋には誰もいない体育館裏に行ってもらう。
・・・・2だな。
1は町田の恋を発展させる粋な計らいだと思うが多分高橋は、ラブレターの子=町田だとは思わない。やつはラブコメの主人公並の鈍感さだからな。
3はやられると一番切ないからいいんだけど、せっかくだから楽しみたいので却下。
盛大なドッキリにしてやるよ。
さて、準備に取り掛かろうじゃあないか。
「緊張してきた〜!」
緊張させてスマン、高橋。