第60話 純情きらり
もうすぐ期末テストなのになに書いてんだろ。
あれ?
・・・加藤、負けてね?
てか何あの表情?
なんでウットリしてんの?
なんでそんなにポケーっとしてんの?
ニヤけた顔がキメェよ?
とりあえず目は開けろよ。
試合中だろ?
・・・・
こいつまだ余韻楽しんでんじゃん・・・
すごいな。
あのスカートの女の子のパンツから発展してどんな妄想してんだろ?
ダメだろ。
絶対ダメだろ!
何やってんだよ!
試合しろよ!
動けよ!
ラケット振れよ!
バカかよ!
おい!
・・・もちろん負けた。
チームは勝ったけどね。
「何やってんだよ!試合しろよ!」
「無理だ!頭から離れらんねえ・・・試合が手につかん!」
「ムラムラか?」
「ムラムラだ。チンコもバンプアップしてくるし」
「・・・再発したか・・・やむおえん、ヌいてこい」
そう言って俺はトイレを指差した。
「オカズには困らんだろ?新鮮なのがあるし」
「ダメだ・・・パンツの女の子でオナニーすることはできん・・・」
好きな女の子でオナニーすることができなくなる、ということはよくある。
高校生にはよく起きる。
加藤もそうなのか?
スカートの女の子に恋しちゃったのか!?
純情なのか?
それならば応援するぞ!
俺は自分に彼女がいるからこーゆー話題ではやさしいぞ!余裕があるからな!
「そーゆーことなら協力するぞ!?」
「・・・ありがとな」
加藤、顔真っ赤にしてやがるっ!
出会ったのはさっきだけど本気なんだな。
「なんでも言ってくれや!」
レンアイに関しては百戦錬磨の俺がなんでも手助けしちゃる!
どーんと来い!
どーんと恋!
あれ?なんか素敵なフレーズじゃない?
“どーんと恋!”
いいね〜
さあ加藤、どーんと恋!
「・・・じゃあ、さ・・・恥ずかしいんだけどさ・・・山崎さんオカズに使っていい?」
はい?
「こーゆー事はやっぱ彼氏に了承をとらないといけないかな〜っと。野田の言うとおりヌいとかないと次の試合に響くしな!」
はい?
「俺、勘違いしてるかもしれん・・・・聞くけど加藤、スカートの女の子のこと好き?」
「なんで?」
ダメだ。
勘違いだ。
「じゃあなんであの子をオカズにできないんだよ!?」
「あとから会うのになんとなく気まずいじゃん。目の前で『さっきこの子でヌいたんだな〜』って思っちゃって気まずいじゃん」
なるほどっ。
って納得してんじゃねーよ俺!
「そんでさ、山崎さんでオナニーしていいかい?」
「いいわけねーだろ!バカかてめーは!てめーなんか細木数子で十分だ!」
・・・コイツと甘酸っぱい話できると思った俺もバカだった・・・
なんで加藤はこうなんだろう・・・・
とりあえず三回戦進出。
Bチームも三回戦に進んだようだ。
ウチの学校って強いな。
俺がいたころはそんなに強くなかったぞ。
どーゆーことだ!
ドラゴンボールのセル編が面白すぎてダメだ・・・悟飯がもうかっこよすぎて・・・