第58話 望む展開、望まない展開
隠語連発ですが・・・これぐらいいいでしょう。コロコロコミック程度の隠語だし。
加藤とスカートの女の子はまだ向かい合っていた。
女の子はすでにスカートは正していた。
加藤も理性のタガの外れる事無く落ち着いた。
思いがけない展開に俺は戸惑っていた。
できればこの場から離れたかった。
いや、ウソだ。
ぶっちゃけ面白れーからもっとメチャクチャに発展して欲しい。
そのほうが面白い。
平穏など望んでおらぬ。
俺はそこらの“今日も俺にトラブルが舞い込む・・・俺に安息の日はくるのか!?”みたいなコメディーの主人公とは違う。
だって何も起きない話なんてつまらんくてたまらんだろ。
コメディーの主人公も実はハチャメチャな状況を楽しんでいるはずなんだ。
でも彼らは自分に正直になるのが恥ずかしいんだ。
だから平穏を望んでいるフリをする。
俺はそうじゃない。
俺を巻き込め。
俺を中心に事件が起きろ。
それが俺だ。
ちなみに俺は兄のことを本気で愛する妹の設定は嫌だ。
妹いないから関係ないけどね。
こんなに本心をぶっちゃける主人公あんまりいないと思うぞ。
(自分の首絞めてる気がするんだけどby作者)
だから今の状況も超楽しんでいる。
今回は加藤がメインだが十分に楽しめる。
「勝手なことばっか言ってごめんなさい」
加藤が謝ってる。
「ダメです!それが人に謝る態度ですか!?」
彼女はそう言って加藤の下半身を指差した。
・・・勃ってやがる!
「チンコ勃たせて本当に反省してるとは思いません!」
「ごめんなさい。でもしょうがないんですよ!」
加藤が嘆いた。
そうだ、これはしょうがない。
「連れのあなたの名前は!?」
俺?
「の、野田です」
「野田くんを見てみなさい!彼は勃ってないじゃない!言い訳しないの!」
「違う!野田はチンポジを直した(勃起をカモフラージュする技。誰に教えてもらうでもなく自然と覚えるスキル)だけだ!」
加藤がばらしやがった!
とんでもねえことを言いやがって!
「君もそうなの?君もチンコ勃ってるの?」
・・・ごめん。前言撤回。
こんなカタチで巻き込まれるのは望んでないです。
「ごめんなさい。これはしょうがないです」
俺は泣きながら白状した。
心の中で山崎さんに謝った。
「やめてください!早くチンコを鎮静化させてください」
彼女が無茶な命令をした。
「やめてほしいならそんなにチンコチンコ言わないでください!君のような可愛い子からそんな隠語聞くともっと元気になってしまいます!」
加藤が叫んだ。
正直に言いすぎだ!
「・・・そ、そうなの?じゃあ・・・チンコのことはこれからウソップと呼ぶわっ」
「「そーゆーことじゃないです!」」
加藤とハモった。
なんなんだこの子!?
なぜ恥ずかしく思わないんだ!?
「と、とにかく!スカートのときはちゃんと下着は穿いていますから!」
・・・その言い方だとズボンのときはパンツを穿いてないってことになるんですが・・・
「はい!じゃあスカートじゃないときはノーパンなんですね!?」
なんで加藤はそーゆーことを口に出すんだよ!
「なんでそのことを!?」
バカだこの女!
てか、そうなのかよ!
叶姉妹かよ!
やべっ想像しちゃった。
心の中で山崎さんに謝った。
「・・・加藤くんにはまだ話すことがあります。でも私はこれから試合がありますから大会終了後またここに来てください!」
そう言って美香さん(仮)は行ってしまった。
「それと野田くんは来なくていいので!加藤くんと二人で話がしたいので!」
美香さん(仮)は振り返りそう言ってまた歩きだした。
「・・・加藤、お前も試合だろ?行こうか」
「ちょっとまて、余韻を楽しませろ」
俺は恍惚とした表情の加藤をほっといて試合コートに向かった。
さて、新キャラの名前は何にしようかな。