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第55話 一回戦終了

「三島(蟲師の本名)、負けたことなんて気にすんな。お前の相手はフットワークが出来てて結構強かったからしょうがねえよ」

加藤が蟲師(俺は三島とは呼ばない。理由はない、意地だ)をなぐさめてる。

てか加藤、俺としゃべってたのにちゃんと蟲師の試合見てたんだな。

そんで相手の分析もしっかりしてやがる。

なんかさわやかなスポーツマンみたいでムカつくな。


だからスポーツできるやつは嫌いだ。

普段どんな残念なやつでも格好良く見えちゃうから嫌いだ。

ずるいと思う。

まあ、ぶっちゃけ俺には彼女がいるからそんなに嫉妬してないけどね。



「逆に一回戦目から俺のやる気というかテンションというかポテンシャルというかエッシェンシャルというかかわいいは作れるというかヴィダルサスーンというかパンテーンというかダヴというかレモン石鹸で俺は髪を洗ってますけども何か?」

どうした!?

唐突にどうした!?なんでシャンプーの名前に変わった?

お前が何で髪洗ってるとかどーでもいいけど!

でもレモン石鹸かよ!

ダメだろ。毛が大ダメージだろ。


「ちなみにわたくし、アンダーヘアにはツバキ使っております」

そっち髪の毛に使えよ!

紳士か?それが加藤の思う紳士のたしなみなのか?

絶対違うぞ!

あれは日本の女性の髪を美しくするためのものだぞ!

「ウェルカムようこそ日本へ〜♪」

歌うな!招くな!

お前がアンダーヘアー晒したところで外人が来るわけねえだろ!


・・・今一瞬、金髪美女が股間に群がる画を想像してしまった俺は死んだほうがいいかな?

バカなんだな。


「話がずれたようだが、三島のおかげで一回戦目からエンジンかかってよかったよ」

だから加藤がスポーツマンぶるとムカつくんだよ!

それと話ずらしたのお前だろ!てかお前しかしゃべってねーよ!

「はよ試合行けや!」


「てめえら待ってな。最高の夢、見せてやるよ」



加藤はそう言ってコートに入っていった。

なんか頼もしいぞ。

背中が男らしいぞ。


「ファイトー」

まあ、応援しとくか。



「ラブオールプレイッ」

試合が始まった。


「ゲームセットッ」

試合が終わった。

勝った。

21対0。加藤ってこんなに強かったんだ・・・

相手、途中から涙目だったぞ。


「どんなもんじゃーい!ボロ勝ちじゃーい!」

少しの汗もかかずに加藤が帰ってきた。

調子こきながら帰ってきた。


「また試合しようなッ!次やる時までにはルールぐらいは覚えとけよッッ!」

超調子こいとる!

試合相手に向かってすっげえ失礼なこと言っとる!


「おう、おめでと」

「そっけねえよ!もっとこの勝利を喜びあおうよ!一回一回の勝利に全力で歓喜しなけりゃ次に勝ちは来ないんだぞ!勝利というのは呼び寄せるものなんだぞ!それを理解しろよ!勝ちたくないのかよ!君からは全然伝わってこないよ!そんなんじゃ勝てないよ!」

テンションたけーな。

松岡修造かよ。

うぜぇ、テレビで見る修造は大好きなのにそれを真似するのを見るのはうぜぇ。

たぶん熱さの問題なんだろうな。修造は本気だもん、決してネタじゃないもん。だからとんでもなく熱いんだよな。

そのエネルギーが笑いに変わるのが特質系念能力者松岡修造。

俺の見解では修造ならキメラアントの王に勝てると思うんだけどどうだろうか。


「だって他人事だもん。だって俺、バドミントン勝ちたいと思う気持ちとか必要ないじゃん。だって今は山崎さんと一緒に水泳頑張ってるんだもん」

「山崎さんを挟むと何も言えねえよ・・・くやしくて」

「どんまい」

「うるせえ!・・・俺だって彼女ぐらいできるわ!でも出会いがないだけだ!」

「きっとそうだね。俺と山崎さんだって、山崎さんが俺のクラスに転校してきたっていう偶然の出会いがあったんだもんね。・・・あ、それだったら加藤も同じ条件か!」

「うっせい!女子の試合見に行くぞ!」

「いいけど、出会いは・・・きっと無いと思う」




なにはともあれ二回戦進出。

・・・帰りたかったんだけど。


一回戦で負けさせとけばよかった・・・・

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