第48話 緩急の“緩”
シーザーツェペリの死に様ってかっこいいよね
「そろそろテレビとか欲しいよね」
町田が言った。
今日は雨なので部室でミーティング。と称しティータイム。
みんなでぐだぐだのんびり〜な時間。
こーゆーのって好きだよ。
「ここが学校の部室だってことを忘れてしまったかのような発言だな。でもテレビはいいな」
高橋がそう返した。
「だよね〜」
我が水泳部が使ってる部室、元・生徒会室である。
一度入ってみてその快適さに感動し(第何話だったっけ?まあいいや、昔の話参照してくだちい)いずれかその思いが生徒会役員への憎しみに変わった我ら。
我らは下剋上よろしく生徒会に反旗をひるがえし・・・・・・・・・・・・・・・まあ、この話はまた別の機会にしよう。
とりあえず生徒会は水泳部に部屋を奪われ、もともと水泳部に割り当てられていた運動部用の部室に追いやられた。
これが通るからこの学校はすげえよ。
こーゆーいいかげんなのって好きだよ。
「そういや今日は水曜日ですね。またアニメは私たちを寝かせないつもりですね、高橋氏」
そう武さんが言った。
「そうですね、武さん。最高の曜日が来ましたね」
水曜日は理由はわからないが深夜アニメが大量にやる日。
二次元思考の方達にとっての最良の日。
あまりにもたくさんのアニメがやるので複数の局で時間が被ることがあるが、そのときは優先順位を付け、より好きな作品をリアルタイムで見て他を録画するらしい。
ちなみに俺はオタクが見るような深夜アニメに偏見を持ってるので見ていない。
というか眠いので見ない。
「私はもちろんリアルタイムで見るつもりですよ、高橋氏」
寝ろよ!
「グッド!さすがです武さん。俺もそのつもりです」
ダービー兄かよ!高橋も寝ろよ!
てか二人ともなんで敬語なんだよ!
「・・・高橋と千代美なんか仲良くない?どうなの?やばい?」
町田が俺に聞いてきた。
そーいや町田の恋ってあったな。超忘れてたわ。
武さんが高橋のこと好きだっていうウソついてたな。超忘れてたわ。
「まだやばいってことはないんじゃない?でもやっぱ話の合う、気の合う人って一緒にいて気分いいんじゃね?実際仲良いし」
俺は煽るよ〜。
「ん〜〜〜〜〜。私どうすればいいかな!?」
助けをもとめてきても俺、真面目に答える気無いのにな・・・
「深夜アニメ見ればいいんじゃないかな?とりあえずそれで武さんとこの分野でもタメ張れるでしょ。他では町田さんのほうが高橋と付き合い長いから強いと思うよ。イケるよ」
うんっ我ながらテキトーなアドバイスだ。
ちょっと深夜アニメ見たくらいであの武さんにかなうはずがなしっ!濃ーいオタク同士のトークについていけるはずがなしっ!
「そうか、じゃあ今日から頑張って見てみるっ!」
・・・健気やな〜。
恋に恋する乙女って感じだな〜。
こーゆーめんどくさいこと通らずに山崎さんと付き合えるようになってよかったな〜。
って改めて思う。
「頑張ってね!・・・じゃあもっと二次元思考者の理解を深めるため俺からもマンガ貸すわ!」
そう言って町田にジョジョ、バキシリーズ、バガボンド、からくりサーカスなどなど大量のマンガを貸すことにした。
絶対ちゃんと読めって強ーく釘を刺しといた。
町田を寝かせる気はねえよ(もちろん性的じゃない意味で)
「ちびまる子ちゃんって面白いよね〜」
「「はい?」」
町田ァ!
そうじゃない!なんか違うだろ!
今の君じゃ相手にならないよ・・・
「ちびまる子ちゃんだよっ知らない?」
「「知ってるけど」」
町田ァ!
気付け!
完璧にずれたこと言ってるって気付け!
浮いてるぞ!
まあ、面白いからいいけど。
・・・・・
ガチャ
「おくれましたー!」
やっと山崎さん来たよ。
「遅かったね、何やってたの?」
「あの〜・・・取り引きを・・・極秘で〜・・・」 「まあいいか、じゃあオセロやろっ!山崎さんが来ないから相手がいなかったんだよねー」
「やろっかっ!・・・せっかくだから罰ゲーム有りでやらない?」
「いーねー。そっちのほうが燃えるし〜」
「・・・じゃあ野田くんが負けたらスクール水着で」
「へ?」
「冗談冗談!」
・・・なんか本気っぽく感じたのは気のせいだな?
山崎がオチ要員になること多いな