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第47話 眠れる獅子

また加藤目線です。


「加藤君、話って何?」


どうも加藤だ。

淫獣こと俺は野田のラブコメをぶっ壊すため行動を開始した。


それには野田と山崎さんとを不仲にすればいい。


相手が嫌いになるような情報を教えるんだ。


しかしそれは決して簡単なものではない。

無いのだ。百年の恋も冷めるような素敵な情報など無いのだ。


・・・だからウソを付くしかないでしょう!


でも野田は俺が山崎さんに関する無いこと無いこと言いまくっても山崎さんを嫌いにはならないだろう。


それは野田は十年来の友人(親友と言わないのは、この言葉がキモく感じられるから)であるので俺という男がどーゆー奴なのかよくわかっている。

俺のことなんて信じるわけがねえんだ。


しかも仮に

『山崎さんって糞尿趣味、いわゆるスカトロジストらしいぜ』とか

『露出狂でゲリラ大好きらしいぜ』

なんてコトを言っても、信じないどころか変態の野田は逆に喜んじまうよ!

興奮しちまうよ!



ということで山崎さんの方をターゲットにする。


純情そうな山崎さんには破壊力バツグンなアイテムを携えて放課後の教室に呼び出した。



「ちょっと教えておきたいことがあるんだよね・・・」

「なに?」

「あのさ・・・いや、やっぱ教えるべきじゃないのかな」

「気になるよっ、ぜひ教えて!」

「まあ、正直山崎さんを呼び出した時点で言う気になってたんだけどね・・・すっげえ迷ったよ。でも君たち共通の友達として教えておかなまずいだろって、どーせいずれ知られてしまうなら早いほうがいいかな、と」

さも深刻そうに話す俺。

優秀だ。

こーゆーことにセンスがあるんじゃねえか?

何に生かせるかしらんけど。


「・・・もしかして野田くんのこと?」

ちょっと心配そうに聞いてくる山崎さん。


「そう。ホントおせっかいかもしれんのだけどね・・・・これ見てよ」

そう言ってポケットから一枚の写真を取り出し、山崎さんに見せた。


「・・・え?ホントに?・・・水着・・・これって、本物?」

かなり驚いてるな。

かなりうろたえてるな。


「本物だよ。合成でもCGでもない正真正銘の野田マサルだよ」

山崎さんに見せた写真とは昔、罰ゲームでスクール水着を着たときのもの。

こっそり撮っておいたのだ。


「どーゆーこと?」

「どうもこうもこーゆー趣味なんでしょうかねぇ?」

ほんとはスクール水着は俺の趣味だけど。



「・・・いい」


「え?」


「スクール水着の野田くんもいい・・・」

「え?なんて?」

どーゆーことだ?


「恥ずかしがりながら顔真っ赤にしてスクール水着着てるのがまたいい!・・・たまらないっ」「え?スクール水着なんて着る彼氏イヤじゃないの!?こんなの変態の域だよ!?」

ちょっとまて!

まさかの展開やぞ!


「似合ってるからいいんじゃないかな?カワイイし」

よくないでしょ!

「・・・これ、いくらで売ってくれる?」

買う気かよ!


「・・・気に入っちゃった?だったら恋人価格ってことでタダであげるよ」

どーゆーことやて!

山崎さん超食い付いてんじゃん!

・・・ありえん。

これでお金を貰ったら完全敗北した気になっちまう。


「ほんとっ!?なんか悪いねっ」

超嬉しそうじゃんか!

なんでスクール水着の野田がいいんだよ!

どこにそそられるんだよ!正直、俺もそそられたけどね!


「いいよいいよ。喜んでいただけたみたいで・・・」

「大満足ですっ!ありがとうねっ・・・・あのさ、他のパターンってあるの?」

まだ欲しいか!

こうなったら開き直ってやるよ!

「手持ちは今、スクール水着だけやけど家に帰ればあと“メイド服”“ナース”“セーラー服”“全裸”などの野田がいますが?」

全裸写真以外は全部罰ゲームで着せたやつだ。

全裸は盗撮です。

いつか役に立つと思って持ってたんだけどこんなカタチで活躍するとは・・・俺に利益がねえ!


「・・・全裸ァ!?・・・くれますか?てかくださいっ!」

「もちろん全部あげるよ」

「ありがとー!・・・でもやっぱタダは悪いから買うよっ。そのほうが私もその写真に思い入れが大きくなっていいし」

なんだよそれ!

「じゃあ価格は山崎さんに任せるよ」


「はいっ。現物を見て、その場で値段を付けたいと思いますっ」

「そうしましょうか」

「決まりですねっ。では私はこれから部活があるのでっ」

「はい。ではこちらも在庫が入り次第すぐお客さまに連絡させていただきます!いってらっしゃいませ!さようなら!」

「じゃあねっ」



・・・山崎さんは部活へ行った。

俺は眠れる獅子を起こしてしまったのだろうか。


なぜだ?

需要と供給の関係ができた。


意味がわからん!

加藤にツッコミさせちまったよ。

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