第3話 いいじゃない
目はそこそこ大きくて肌も綺麗そうだし普通にかわいいじゃないか。いいじゃないか。
たぶん150センチ無いくらい小柄なのだが胸は制服のブレザーを着ててもわかるくらい大きな膨らみが確認できる。
てかこの学校の制服似合うなぁ。
とりあえず結婚してくれねぇかな。
「今日からこの学校に来た山崎香織さんです。みんな仲良くしてあげてよ」
「東京から来ました、山崎香織です。よろしくおねがいします」
東京から来たらしい。そのわりには垢抜けてなくて好印象だ。てか今の俺じゃあ山崎さんが何を言っても素敵に聞こえると思う。
これが女の子の転校生が来るというシチュエーションの魔力か。
「じゃあ山崎さんの席は窓際の一番後ろだからね。これで朝のホームルールをおわります」
もうおわりかい?質問タイムは?好きな色聞きたいんだけど。
山崎さんの席は窓際の一番後ろ。俺の真後ろだ。隣とはいかなかったけど良い席だ。正直ものすごく欲を言えば相席がよかった。俺の膝に座ってほしかった。そんで疲れたら膝枕してもらうんだ。だがあいにくこの学校にはこのシステムがないらしい。くたばれ校長、くたばれPTA。
自分の席へむかう山崎さんは俺の横を通るとき少し笑って
「よろしく」
って、なんだよ?すげえうれしかったです。勘違いしてしまいます。
休み時間、わかっていたがやっぱり山崎さんはおせっかいな女子に囲まれたので俺は席を離れた。
あんな空間におれるわけがない。クラスのほぼ全員の女子が集まってるあの空間に居座りつづけることができるわけがない。
「加藤ーあのゾーン、きまずすぎるだろ!」
「いいじゃん、席にもどれよ。おまえの居場所はここにはないよ」
「てかこの教室から出てけよ。そんで今日から飯もトイレで食えよな」
「死ね」
「最後のひどすぎない!てか全部なんでだよ!俺にやさしくしろ!」
「野田は蔑まれるのが好きなんだろ?だったらいいじゃん、おまえなら加藤を超える変態になれるぜ」
「野田・・・おまえも俺と同じ、選ばれし異常性癖者の一人だったとはな、今までちっとも気付かなかったぜ。しかし知ってしまった以上仲間であっても容赦せん!この戦い俺は負けるわけにはいかん!野田!全力でかかってこい!」
「死ね」
「おまえら悪乗りすんな!高橋!俺はそんな性癖に目覚めてねえ!加藤きしょいわ!異常性癖者同士のバトルってなんだよ!ちょっと見てえじゃねえか!そんで増田は死ねばっか言うな、ボキャブラリーすくねえよ!でも一番傷つくんだよ!」
「そうか、じゃあ死ね」
「死ねよ変態」
「死ね」
「死ね」
「死ね」
「死ね」
「死ね」
「死ね」
「死ね」
「死ね」
「死ね」
「生きろ」
「死ね」
「死ね」
「死ね」
「死ね」
「生きろ」
「死ね」
「死ね」
「死ね」
「振ったわけじゃねえよ!そんでたまに生きろって言う増田はなんなんだよ!なんか俺がかわいそうだろ。もう、しりとりするぞ!」
「なんで今のタイミングでしりとりなんだよ。野田、話題の変え方下手すぎだろ。でもまぁやろうか」
「やろう、おしりとり!よっしゃ!おしりとりぃ!」
「おまえらは僕に勝てんよ」
「お、を付けんな、加藤!じゃあしりとりの“り”。俺からやるぞ。りす」
「すずめ」
「めだか」
「かたつむり」
「りか」
「かたな」
「なし」
「しり」
「力士」
「死体」
「いも」
「森」
「利子」
「舌」
「たましい」
「いかり」
「りんご」
「ごりら」
「らっぱ」
「パリ」
「リビング」
「グミ」
「三日月」
「きこり」
「り・・・・・って、おまえら俺を“り”で攻めるんじゃねえッッ」