第32話 VS独裁主義者フリーザ
受験生諸君センターがんばれ!この日にこんなの見てる受験生いたら色々とヤバいけどね
「おやおや野田くん、もうへばってしまったのですか?いけませんねェ、まだ始まったばかりだというのに。大丈夫ですか?」
加藤が悪意に満ちた声で言う。
「・・・・・」
俺は蟲師とのデスゲームですでに精神がまいっていた。
しかし、縄師の拘束のせいで逃げることなど不可能だった。
俺は加藤を完璧になめてた。奴はどこまでも黒く汚くいやらしい男だった。そういえば今思い出したよ、加藤の二つ名は『淫獣』だってことを。
今、この空間は加藤が絶対だった。
加藤の命令で全ての者が動いた。
俺がこの部活に来てた頃はこんなことはなかった。俺がいなくなったから、俺というストッパーがいなくなったからこの部活は変わってしまった。
俺がいなくなってタガが外れた奴は今まで押さえられてきたカリスマ性を爆発させ頂点に君臨してるんだ。
「まあいいでしょう。みなさん!やっておあげなさいっ!」
口調はまるでマンガ史で一、二を争う残虐な独裁者として名高いフリーザだ。ちなみにもう一人はもちろんディオ様だ。
奴がフリーザならさしずめ俺はナメック星人か。
こんなどーでもいいこと考えてるが余裕なんてない。
逆にほかごと考えてないと頭が変になっちまいそうなんだ。
加藤の命令でゴムを噛まされてるんだ。
いわゆるゴムパッチンをされそうになってるんだ。
「途中で勝手にゴム離したらカブトムシの幼虫噛ませるからな!」なんてこと加藤の部下(ドドリアさんって呼ばれてた。きっとデブなんだろう)に言われてるから必死でゴム噛んでるんだ。
視覚を奪われるというのは本当に恐ろしい。こんな古典的な罰ゲームも恐怖心が段違いだ。
といってもさっきのデスゲームにくらべればこんなもん屁のつっぱりでもないっす!
バチーン
「いってー!」
「ドドリアさん、もう一度やってやりなさい」
バチーン
「いたー」
「もう一度ですドドリアさん!」
バチーン
「ドドリアさん!」
バチーン
「ドドリアさん」
バチーン
「ザーホンさん!」
バチーン
「ドドリアさん!」
バチーン
「ドドリアさん!」
・
・
・
「ドドリアさん!」
「どんだけやんだよ!さすがに20回を超えるとヒリヒリがとんでもねえことになってんだよ!もう顔面の感覚がねえよ!しかも途中でザーホンさんもいただろ!超見たくなったじゃねえか!ちきしょーめ!」
「おやおやまだ元気いっぱいですか。しかたない私が直接手を下しましょう。みなさん退きなさい」
ついに加藤が動くッ!
まわりも騒ついてる。
「さぁーて、まずはコイツだ」
精神を侵す攻撃が始まるっ!
ガバッ
加藤は俺の服の襟を掴み襟元を開けた。
何をするつもりだ?
「これを、いれるのですよ」
ポト
何かが服の中に入った。
何を入れた?・・・・よかった、生きものじゃないようだ。
ポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポトポト
どんどん入れてくぞ!
「加藤!何をいれてるんだ!?」
「教えてほしいですか?これはティッシュですよ」
ティッシュ?そんなもんか。少しホッとした。
「ただし、使用後のね。まあ何に使ったかはトップシークレットですけどっ」
なん・・・だと?
「やめろー!いますぐ出してくれー!おねがいだ!イヤだ!間違いなくアレじゃねーか!やめてくれッッ!」
ズルズルズルズル
「こすりつけるなー!うわあああああ!」
「ひょーー!さすが加藤様ざぜェー!最高にクールだぜェー!」
・・・・・・
汚れてしまった・・・
もうダメだ。助けてくれ。
「ゆるしてくれ」
「まだダメだ」
嬉々として加藤は言った。コイツは悪魔だ。
「そういえば君の彼女の名前何だっけ?」
次は何を考えてる?でも正直に答えなきゃ・・・
「山崎香織だ」
「そうそう山崎さん!山崎さんってかわいいよね〜」
「何が言いたい?」
「ただかわいいな〜って思っただけですよ」
それだけなはずがない。
「恥ずかしいんですがね、今晩のオナニーのネタに使いたいと思いまして」
なん・・・だと?
「やめろー!それだけはやめてくれー!おねがいだ!俺には何でもしていい!だからやめてくれえええええ!」
「さすが加藤様だァー!俺たちができないことを平然とやってのける!そこに痺れる!あこがれるゥ!」
「うわあああああ!」
・・・・・・
山崎さんまで汚されちゃうかもしれない・・・
「次もドンドンいきますよー!」
「うわあああああ!」
・・・・・・
その後解放されたのは午後八時。
精神が徹底的にズタボロにされた。人権をこれでもかと侵害された。もう俺はダメだ。
帰るためふらふらになりながら自転車置場に行くと誰かがいた。
「野田くん、遅かったね?大丈夫?」
山崎さんだ。
「ずっと待っててくれたの?」
「うん」
そんな山崎さんを見て俺は我慢していたものが目から溢れた。
「恐かったよぉ〜」
膝を折って山崎さんに抱きついて泣いた。
「恐かったろうに。恐かったろうに」
そう言って頭を自分の胸にうずめさせ撫でてくれた。
・・・・乳が!
死んでもいいかも。いや、死んだら山崎さん悲しむから死ぬのやーめた!
なんか元気でた。
さっきの脱会リンチがもう印象深い思い出のように感じる。あれほど外道なことをした加藤とも今までどおり仲良くいけそうだ。
今日は自転車二人乗りで帰った。もちろん山崎さんが運転手で。
加藤を外道に書きすぎた!俺もやりすぎたと思う。引かないで下さい