第27話 本当だったり嘘だったり
さて、俺の思い通りになりましたよ。
いえーい。
・・・・・・月曜の朝・・・・・・
「野田くんおはようっ」
「おはようっ」
教室に入ってくるなり町田が俺の席の前にきた。
「早速だけど昨日のあのメールのことってホント!?」
おっ、来たね。
「せかすな〜。まあ・・・結構本当のことだね」
「千代美、高橋のこと好きっぽい?」
「だね」
「仲の様子は!?」
マジ町田食い付いてくるな。おもしれ。
「なかなかに良さげだよ。昨日なんか高橋、武さん家行ったしね」
嘘はついてないよー。
「マジで!?超仲良くなってんじゃんか・・・」
焦ってんな、町田。
でも・・・
「俺も山崎さん家さえ行ったこと無いのに高橋は付き合ってもない武さん家行くんだな〜」
嘘はついてないよー。
「・・・だよね、仲良いだけじゃ普通男の子、部屋に入れないよね・・・」
声小さくなってきてんぞー。しかもちょい涙目じゃん。
「高橋って結構マンガとか好きじゃん?だからかなり気が合うじゃね?」
「そうなんだ・・・・」
ダメージはそこそこ与えたな。
ではそろそろ・・・・
「でも、高橋は武さんをそーゆー目で見てないと思うよ」
コレも本当のことだね。
「ホントに?」
「ホント。それに武さんが自分をそーゆー目で見てるなんて高橋絶対気付いてないよ」
気付くもなにも“武さん高橋にラブ”のとこは嘘だしね〜。
「ホント?」
「うん。高橋の鈍感さはラブコメの主人公並みだぞ」
「そんなに!?」
元気出てきた?
「ああ、親友の俺が言うんだから間違いない!」
「親友って・・・野田くんキモいよ」
俺は親友だとか友情だとかこういった類の言葉は口にしてはいけないらしい。
冗談で言ったのだがこう返されるとショックです。
「・・・それと高橋が町田さんのことどう思ってるかも聞いたよ」
あのときのさりげなさは天才的だったな。俺のトークテクニックなら一人暮らしの老婆から金を騙す事ぐらいたやすいだろう・・・
「マジ?なんて?」
「遠慮しなくていいから話しやすいってさ」
「・・・びみょ〜。でも照れるね」
「それと余分だったかもしれないけど結婚するか聞いたら断られたから」
「なんでそんなこと聞くの!すっごく余分だよ!見事に蛇足だよ!しかもそんなマイナスの答えなら私に伝えなくてもいいじゃん!」
「すいますいません」
「謝り方がむかつく!」町田、ハイになってきたな。
「・・・そんなことよりまだメールの返事を聞いてないよ? どうする?今はこんなだけどこのまま行くと絶対武さんに取られるよ。寝取られるよ。子供産まれるよ。・・・どうする?」武さんに聞かれたら怒られるようなことばっか言ってるな、俺。
「・・・・やる!水泳部入る!」
「どうも!」
町田が仲間入りした!
やっぱ俺ってデラックス優秀〜。
・・・
「私も水泳部入るから!よろしくね!」
早速、皆にあいさつまわりの町田。
「・・・千代美!絶対負けないからッッ!」
決意を武さんに言い放って去っていった・・・
急に言われて凄いビクッってなった武さんが可愛かった。
何のことかわからずポカーンとした顔の山崎さんはもっと可愛かった。
これからも武さんは町田からライバル視されつづけるのだろうか。かなり意味無いけどね。
作者が女だったら野田みたいなやつは絶対好きにならないだろうな