表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/126

第26話 適度にふざけよう

今日は日曜日。武さん家で今後の作戦会議。

武さんの部屋思ったより女の子っぽいな。もっと濃ーいアニメな空間だと思ってた。・・・てか女の子の部屋入るの初めてなんだけど・・・俺、初めて入るのは山崎さんの部屋だと勝手に思ってた。

そんなことより。

「あと一人部員どうしようかねぇ」

「ねぇ」

一週間緩〜く入部希望を募ったが誰もいねぇ。実に緩く勧誘したのだがダメだ。


「だいたい俺しか頑張ってねえじゃん!」

「ごめんねぇ高橋くん」

「ごめん」

「しょうがねえよ俺たち超人見知りだもん。ぐいぐい勧誘なんてできねぇよ。ねぇ」

「「ねぇ」」

「野田も同意を求めんなよ、山崎さんと武さんも共感しないでよ」

「よっ宣伝部長!」

「「よっ」」

「おい!」

「大変だな高橋」

そう言いつつ部屋を見渡すと・・・・バキ発見!しかも全シリーズ完全網羅ッッ

武さんすげーな!バキは女の子が読むマンガじゃねえよ!

「バキ好きなの?」

「大好き」

やっぱ武さんはデキる人だ。

「俺も!」

「誰が一番好き!?」

「私は花山薫」

花山薫とは束ねたトランプの一部を引きちぎるという凄まじい握技の持ち主。男が惚れる本物の漢ッッ!

「いーねー。俺も花山大好き」

「野田くんは?」

「俺は愚地独歩やね」

「いいね」

「いいよねー。好きな戦いはある?」

「もういいだろ!話をずらすな!」

高橋に怒られた。せっかく盛り上がってきたんだがな・・・武さんとはいい友達になれそうだ。


「野田くん、千代美ちゃんとめちゃめちゃ気が合うんだね・・・私なんかより・・・」

山崎さんヤキモチ!?やっべえ!

「そんなことないって!・・・いや、そんなことあるか。ってうそうそ!山崎さんのほうが気が合うよ!」

「ほんと?」

「本当だよ!なんたって彼女だよ!」

「だよね〜」

えへへへへへ〜と笑い合う俺と山崎さん。

「山崎さんまで話ずらさないで!」

また高橋が怒る。

「今そーゆーこと言う?マジKYだな」

「今こそ言うべきだっただろ!のろけやがって!しかもKYってすでに死語だろ」

「高橋ごときに贈る言葉など死語で十分だ」

「・・・いいかげんにしろよ!今日みんなで集まった理由知ってるだろ!?部員が足りなくて困ってるからどうしようかって話し合う為だろ?何やってんだよ!はいそこマンガ読まない!」

武さんビクッとなった。

高橋がキレた!

「みんな水泳部創りたいんだろ!?それなのに好き勝手にほかごとして!まじめに考えてるのは俺だけじゃねえか!」

すげえ正論だ・・・とりあえず謝っておこう。

「すまないと・・・思ってる」

「そんな言い方しても全然重々しく聞こえねえんだよ!俺の話を聞けぇ!おまえら正座ああああああ!」

「「「はいっ」」」


その後怒る高橋の前で説教を受ける俺たち。


「怖い・・・」

ガクガクブルブルの武さん。




「わかったら返事!」

「「「はいっ」」」

「では早速実行しろっ」

「「「はいっ」」」

高橋が提案したのはとりあえずメールで勧誘しようというやつだ。高橋いわく入部したいという気はあるんだが新しいことをするという恥ずかしさなどで面と向かって言えない人がいるらしい。そんな人でもメールならイケるだろうとのことだ。

最初聞いたときは『無いな』と思ったが高橋が怖かったので誰も反論しなかった。



「男子は俺と野田でやるから女子よろしく」

「うん」



数時間後・・・日も傾き始めたころ。

「いい返事は返って来ませんね〜」

と山崎さん。

「そうだね」

と俺。

「残念だな」

と高橋。

「あ、ガンダム始まる」

と武さん。


・・・

「ダメだったな、どんな文面で送った?」

高橋が聞いてきた。武さんはガンダムを見てる。「私は普通だよ。こっち来て二ヵ月だからクラスの女子しかアドレス知らないからあんまり送れてないけど」

山崎さんのケータイを覗く。


[水泳部に入る気ない?すっごく楽しいよ!おねがいします!]

普通だ。

・・・添付ファイル?何の画像をつけて送ったんだ?

カチカチと画面を下にスクロールさせてく。

見えてきたのは水着姿の山崎さん。多分前の学校の友達らしき女の子と一緒に映ってる。うわぁぁ超楽しそうな笑顔だぁ。っておい!

「なんでこんなの送ったの!?」

何してんの!?

「水泳で楽しそうなとこ送ればやりたくなるかな〜?っと。ダメだった?」

「い、いや。でも、ねぇ」

「ねぇ」

高橋に同意を求めた。

・・・山崎さんアホだ。

あんなダイナマイトミニマムボディ見せ付けられたら女の子自身無くすだろ!

競泳水着着てもボインわかるんだな。山崎さんすげー。・・・・・

「・・・とりあえず俺にもそれ送っといて」

「なんで?」

「なんでもっ。高橋には送らないでね!」



「野田のはどうなんだ?」

「俺のも結構普通だよ」

そう言ってケータイを見せる。


[君がこれを見る頃には僕はすでに死んでいるでしょう。・・・おっと、悲しまないでおくれよ。僕は死んで当然の男なんだからね。だから僕もこの死を受け入れている。でも・・・この世に全く未練が無いと言えば嘘になるかな。

一つだけやり残したことがあるんだ。

それは水泳部の創部だ。罪深い僕のこの世への最初で最後の恩返しのつもりだったんだがね・・・こんなとこでしくじるなんて悔しいよ。・・・・もう僕の言いたいことはわかっただろ?わかった上で承諾してくれるのであれば続きを見てほしい。無理だ、という場合はすぐさまこのメールを削除してほしい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・僕は最後の力を振り絞って君にこの言葉を伝える。・・・水泳部に入ってくれ。]



どうだ?

「バカじゃないの!こんなのしか送ってねえのかよ!」

と高橋から。

「何送ってんの!ふざけてるとしか思われないよ!」

と山崎さんから。

「あ〜ぁ、ガンダムおわった」

と武さんから。


「すまないと・・・思ってる」

とりあえず謝っておこう。


実は町田だけに

[武さん、高橋のこと好きかもよ〜。最近凄い勢いで仲良くなってるね。凄いね、部活が同じだからってだけでこんなに親近感湧くんだな。まぁ実際まだ創部したわけじゃないけどそれが逆に一緒に創ろうとする仲間として団結力と信頼感が強くなるんだろうな。そんでもって水泳部ができたあかつきには愛という強い絆ってやつができちゃうな。そんでもっていずれ子供という愛の結晶が武さんとの間にできちゃうな。さあ、どうする?返事は月曜聞こう]


軽〜〜〜く煽っておいた。

週明けの朝が楽しみだ。


山崎がどんどん違う方向に・・・これがいわゆるキャラの一人歩きか!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ