表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/126

第24話 超絶トークテクニック

最近、家族でご飯たべてないなぁ。さみしいな

「最近、毎日が暇だな」

「そうだな」

「毎日毎日学校来て勉強して帰るだけ。イヤになっちまうよな」

「そうだな」

「毎日毎日鉄板の上で焼かれる某たいやき君ぐらいイヤになっちゃうよな」

「そうだな」

「そんで俺たちもこんな生活続けたら心が病んで、たいやき君のように海に逃げ込むことになるんだろうな」

「そうかな」

「しかし、たいやき君と俺たちじゃあ海に逃げ込むことの意味が違う。たいやき君にとってのそれは代わり映えのしない毎日から違う生き方をしたいという希望に満ちたものだ。実際、奴は腐っても鯛ならず焼いても鯛、海の中でもそれなりに順応できた。しかし俺たちはどうだ?俺たちにとって海に逃げ込むということは死だ。生きることが嫌で嫌でどうしようもなくなった先に待つものが死だ」

「そうだな」

「でも俺たちは死ぬつもりはないよな、ただ毎日が退屈なだけだよな」

「そうだな」

「だから何か変化が欲しい。そういうわけなんだよな?」

「そうだな」

「俺もおまえの気持ちは痛いほどわかるよ。刺激が欲しいんだ。つまらない日常ではなく刺激的な非日常を求めてるんだ」

「そうだな」

「学校がテロリスト集団によって占拠される。人質は校内にいる全校生徒と教師、一つ一つの教室に配置されたテロリストたちによって逃げることも助けを呼ぶこともできない。逆らった者は問答無用で殺される。そんな絶望的な状況のなか偶然トイレに行っていてテロリストに捕まってない生徒が一人だけいた。それが俺だ。学校を救えるのは俺しかいねえ。そんなシチュエーションに心ときめくんだ。おまえもそうだろ?」

「そうだな」

「しかし、実際にこんなこと起きるわけがねえ。つまんねえ毎日を過ごすしかねえんだ。クソつまんねえ高校生活を送るしかねえんだ」

「そうだな」

「でもそんな高校生活を充実することができるもんが二つだけある。なんだ?女と友情だ」

「そうかな」

「俺には山崎さんがいる。だから今までとは生きる力がまるで違う。充実しまくってるんだ」

「そうだな」

「高橋はどうなんだ?好きな女の子とかいないのか?」

「どーでしょー」

「でも女の子と付き合いたくてたまらんでしょ?高校生なんだし」

「今はそんなことないな」

「・・・まあ、おまえなら焦らんでもできそうだしな」

「そんなことねーよ」

「でも高橋、普通に女子と話せるじゃん。ナチュラルに俺と話すように。町田さんともいちいち仲良いじゃん」

「まあな。・・・町田は話しやすいもん、遠慮いらんし」

「じゃあもう結婚しろよ」

「なんだよソレ、バカかよ」

「・・・でも楽しい高校生活送りたいだろ?」

「そうだな」

「だったら友情だ。俺との友情をこれでもか、と言うくらい大事にしろ」

「友情って・・・野田キモいな」

「いいんだよ。早速だが俺の為にしてほしいことがある」

「もしかしてこれを言うために今まで話していたと?」

「そうだ」

「・・・アホだ」

「いいんだよ。それより・・・高橋、おねがいだ。水泳部に入ってくれ」

「イヤだ」

「なぜ!?」

「理由がない。そもそもウチの学校、水泳部ないじゃん」

「俺が創る。でも創部にはある程度人数がいるんだよ」

「マジで?」

「マジで」

「・・・それって山崎さんのため?」

「そうだ。俺のためでもある」

「なんだソレ?」

「いいんだよ。だから俺のために入部してくれ」

「それより野田ってそんなに行動的だったか!?」

「愛の力だな」

「でらキモいって。デラックス気持ち悪いって」

「いいんだよ。それより入部してくれ!今なら水泳部初期メンバーっていう肩書きが手に入るぞ。良い響きだろ?初期メンバーって」

「そうかな」

「わからなくてもいい。君は黙って入部すればいいんだ」

「なんで上からなんだよ」

「拒否権はない。では入部してくれるよな?」

「イヤだ、と言ったら?」

「質問を質問で返すなァー!」

「っ叩くなよ。まあ、入部してやってもいいけど」

「本当か!?」

「だが断るッッ!」

「んも〜〜〜!」

「まあまあ本当に入ってもいいよ」

「マジかい?」

「マジ。部活やってなくてつまんねえのは本当だったしな、せっかくだしいいよ」

「いいのか?・・・それとももしかして山崎さんの水着姿が見たいからか!?だったらゆるさんぞ!おまえは水泳部に入るな!男にそんな目で山崎さんを見られるなんて凄い嫌悪感だ!友情を壊したくなかったら二度とそんなことを口にするな!」

「なんも言ってねえだろ!入部しんぞ!おまえ独占欲強すぎ」

「す、すまんかった・・・俺がこんなに独占欲強いなんて今知った・・・入ってください」

「まあ、いいかな。俺そこそこ水泳得意だぞ」

「そうなん?」

「知らんかった?てか俺以外は誰かいるのか?」

「俺は知らないけど山崎さんにアテがあるんだってさ」

「ふーん」




高橋の入部が決まった。いい流れだ。ひじょ〜にいい流れだ。

会話の流れから町田から課されてたノルマも一応達成することできたしね。


俺マジ優秀有能〜


会話文だけにしたら己の首絞めた

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ