表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/126

第23話 俺はポケモン世代

高校はじまりやがった!忙し

「これより始球式を執り行うッッ!」

体育の時間、ソフトボールだ。俺のポジションはピッチャー。体育のソフトボールなんてどうせ打たれるんだからピッチャーは守備の一番ヘタなやつがやるのが一般的らしい。

我がチームメイトは的確なポジショニングしたと言えよう。


プレイボールッッ!

「URYYYY!!」

すっごい気合いからのー下投げ!


カキーン!


「なんで始球式の球打つんだよ!」

俺は激しく抗議する。

「授業にそんなもんねえわ!」


高く上がった打球は外野フライ。ヨユーでキャッチしてアウト!


「ザコめ!次のバッター出てこんかーい!」

俺は意味なく強気だぜ。

「よしっこい!」


「いっけーフシギダネ!君に決めたッ!」

気分はマサラタウンのサトシ。思いっきり下投げ!


バシッ


ストラーイクッ

いーねー

「もどれフシギダネ、よくやった!次はトランセル!君に決めたッ!」


バシッ

2ストラーイクッ

いーねー

「もどれトランセル、よくやった!最後はリザードン!君に決めたッ!」


カキーン!


「リ、リザードン!相手は水タイプだったか!ちきしょう!」

「ポケモンはもうええて!」


打たれた球は内野ゴロ。無難にアウトー


「ついにこの球を投げるときが来たようだな・・・打てるもんなら打ってみろ!見える魔球だ!」

渾身の下投げ!


カキーン!


「うそだろ?俺の魔球が打たれるなんて・・・」

「そもそもどこらへんが魔球だよ!」

「消えも増えも燃えもしないただの球を魔球だと言い張るその我の強さ、ストイックなまでのその精神に凄みを感じるだろうが!」

これぞ俺の美学。

「凄くねーよ!」


打球はまたまた外野フライ、しっかりキャッチしてアウトー!


3アウト、チェンジ!


「点取ってこー」


みんな打つ!走る!セーフアウトセーフセーフアウト!


みんなうめーな。

「何やってんだよ!2アウト満塁で俺にまわすんじゃねえよ!やべーよ!」

「あぁ、野田だ。終わった・・・」

「よっしゃ野田だ!無失点でいけるぞ!」


「みんな、ごめんな」

悲しい覚悟でバッターボックスに立つ俺。


そのときだった。

「野田くん頑張れー!」

女子からの黄色い声援だ!向こうでバレーをやってた女子が来た。マジやめてくれ!

どーせ笑いにきただけだろ!山崎さんでさえ俺が打つことなんて少しも期待してないような様子だしな!


なめんな!


ピッチャー投げた!

「フンッ」


ストラーイクッ


「野田くーん!そんなへっぴり腰じゃ打てないよー」

山崎さんやめてください。恥ずかしすぎます。


「次だ!」

ピッチャー投げた!

・・・・・

「フンッ」

「フンッ」


3ストラーイクッバッターアウトッ


「せめて当ててよ!」

「どことなく変!」

女子たちは笑うだけ笑って戻っていった。

新たなトラウマができた。


「当たらなかったわけではなく当てなかっただけだ!」

「うっせい!」

「投げるとき次、腕一回転するやつやっていい?」

「間違いなくミスるからダメ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ