第22話 俺とダルシムの壮大な因果関係
結局水泳部設立なんの進展もしてねえ。
昨日は担任が無能でマジつかえねえからやる気萎えたが今日は違う。
なんとしても今日、創部までの流れを完璧に知る。これは決定事項だ。今日やっておかないとズルズルいってしまいそうなんだ。山崎さんにはそんな口だけみたいないいかげんな男には絶対見られたくない。
というわけで無能なスガさん以外の先生に聞きにいこうッッ!
「土屋せんせーい!」
「なんだね野田くん?」
この人は我がクラスの副担任の土屋アイ先生24歳。金髪ロン毛で鼻が高くキリッとした大きな目、見事なまでのボンキュッボンなスタイルで真っ黒な超ミニスカを穿き、上は大胆すぎるほど胸をはだけさせた真っ白なワイシャツを着た・・・・・・・なんていうことはない。
実際は、日本中の女性の平均をとればこんな感じになるんじゃねえか?ってぐらいくるおしいほど普通すぎる人だ。ジョン・レノンみたいな丸メガネ(ロイド式メガネ)だけが特徴だな。ちなみに新婚さんの幸せ真っ只中。
「部活ってどーやって創るんですか?」
「君は部活を創る気かい!?」
この学校はなんでこんなにこの話題に驚くんだよ!
「いえ・・・何となく」
「そりゃ君に運動部はしんどいよな〜。いずれやめたとき自分に向いた部活があればいいのになってことだろう?」
この人も俺は運動部を続けられないだろうと思ってやがる!そんなに俺は運動ってもんが似合わないってか!ちくしょう!
「そんなとこっす」
「そうであろう、どんな部活を創りたいのかい?やはり、囲碁・将棋部とか?」
それ、スガさんにも言われたよ。
「やりませんよ!やっぱ俺はそーゆーやつが似合うんすか?」
「すごく似合うね。あと私の君に対するイメージで言うと、野鳥観察とか転がしドッヂとかヨガが好きそうだな」
ん?デジャヴかな?全部昨日言われたような気がするんだけど・・・
ってかやっぱヨガって何でだよ!囲碁とか野鳥観察は無理矢理納得できる。俺はものすごく運動が苦手だからそんなイメージがつくこともあるかな、と思ってやる。
転がしドッヂも球技大会の活躍が印象深いからだとわかる。これも納得できる。
しかしヨガはなんだ!?一度とならず二度もこんなこと言われるとはどーゆーことだ!?俺にはヨガ好きっぽい要素があるのか!?だとしたらそれはなんだ!?もしかしてストリートファイターで俺が一番好きなのがダルシムだからか!?それとも俺がダルシムに似てるからか!?絶対似てねーよ!ヨガフレイムを放てると思われてるのか?手足が伸びると思われてるのか?ちなみにダルシムの手足が伸びる理由はゴムゴムの実の能力者のような能力で伸びるのではなく技術で伸ばしてるのだ。ジョナサン・ジョースターのズームパンチと同じ理屈なのだ。ヨガを極めれば関節を外しても痛まないとダルシムは語る。
とりあえず俺とヨガの因果関係はダルシムにあると思われる。もし違うのであれば捜査はフリダシに戻ってしまうぞ!
そんなことはどうでもいい!こんなカオスな考えはマジどうでもいい!
「そんなことより部活の創り方教えてくださいよ!」
「それなら創部届け出せばいいんだよ。創部届けは私持ってるから欲しいなら言ってください。提出も私が受け付けますので」
なんと!?
「じゃあ今すぐください!」
「いいですよ。何となくなんて言ってやっぱ部活創る気満々じゃないかい。何部を立ち上げたいんだい?」
言うのハズいな・・・絶対笑われるな・・・でもすぐわかることか。
「・・・・水泳部です」どうだ土屋先生!予想の斜め上を行く答えだろう!山崎さんのためじゃい!間接的に俺のためじゃい!
「それは本当か!?」
ほら、超びっくりしてる。
「ハイ」
「では創部した暁には私に顧問をやらせてくれ!」
「マジすか!?ぜひおねがいしたい!」
「おねがいされた!まさかの展開ですね!」
「俺もそう思います!」
土屋先生は学生時代水泳をやっていて教師になってからは水泳部の顧問をしたいと強く思っていたらしい。しかしウチの学校には水泳部がなく教師が部を立ち上げることもできないので諦めてたらしい。そこでの俺の出現は超うれしかったんだと。
「なんか土屋先生が顧問してくれるってさ」
「ほんと!?もう!?野田くん仕事が速いね〜」
今、山崎さんとチャリこぎながら帰宅中〜
「でも創部は職員会議で認められてからだからね。とりあえずある程度人数がいないとダメらしいよ〜」
部員どうやって集めるかな。高橋とか帰宅部だしやってくれねえかな。
「それは私にあてがあるからまかせて!」
そうかい!?
「では、まかせた!」
「まかされた!」