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第20話 かわいいマネージャー

「野田くん!おわったでしょ?一緒に帰ろっ」

不意に部室のドアが開き山崎さんが入ってきた。

「ちょっと待って!まだ服着てないから!」

パンツ一丁でお出迎えの俺。

「いいよ〜。待ってるからっ」

・・・出てってもらえませんか?なんでそんなに見てくるんですか?着替えづらいんですが。

一応他の男子もいるんですよ?なんで平気なんですか!?みんな気まずそうに着替えてるじゃないか!


と、内心思ってるのだがニコニコして俺の着替えを待ってる山崎さんにそんなことも言えず急いで身仕度をする。


「じゃあなー」

見せ付けてしまって悪いな、と思いつつ軽い優越感に浸り、部員にあいさつをして山崎さんと一緒に帰る。



山崎さんと付き合いだして一カ月たつがこんな感じて部活のある日でもほとんど毎日一緒に帰る。


「待っててありがとねー」

「いいよっ、君の部活見るの楽しいしっ」

「でも俺すっごいかっこわるくない?」

「すっごくかっこわるいね!でも見てて飽きないよ」

「誉めてるの?」

「ビミョ〜〜」

俺のことを待ってくれてる間たいていいつもは図書館で本を読むか勉強をやってる彼女だが今日のように部活をずっと見てることもある。

ちなみに彼女がよく読むのは料理本らしい。いーねー!いずれは手料理が食べたいね〜。


「でも正直ヒマやろ?山崎さんは何部か入んないの?」

いつも待たせて悪いなって思ってるんだよ。

「う〜ん、どーだろう?・・・ねぇ」

「何?」

「君の部活入っていい!?」

なんと!?

「それは女子部のこと?」

「違〜う違〜う。男子部のつもりだけど」

「えぇ!?」

「ダメなの?」

「ダメっていうかそれはマネージャーとして入るつもり?」

ウチの部は男子部と女子部にわかれており男子部に入る女子はマネージャーとして入る。

「そのつもりだけど」

「やめときなよ」

「なんで!?」

「つまんないよ」

俺はそう言ったが、本当はいろいろと危険を感じるからだ。

第一の危険要素として部員たちがいる。

奴らは女子に飢えている。しかも加藤を筆頭にヒトとしておかしな人格の者が多い。だからそんなとこに女子が来たら俺の彼女だと知っていてもセクハラまがいのことを絶対やってきそうなんだ。この学校の女子はその危険性を感じ取ったのか、ウチの部にはマネージャーは今までいなかったのだ。

第二の危険要素としてバスケ部がある。ウチの部は体育館をバスケ部と半分にわけて使ってる。隣にすぐバスケ部がいる危険性がわかるだろうか?先日述べたようにバスケやってる奴らはかっこいいのだ。マネージャーになればそんな奴らを毎日のように見ることになるだろう。そのうちバスケ部の誰かのことを惚れてしまうかもしれん。ウチの部活のヘボさが余計バスケ部のかっこよさを助長し、その危険性が増しているんだ。


ひじょ〜に危険だ。


「そんなことないよっ!私やるからね、マネージャー!」

「俺がやめてと言っても?」

「やる。絶対やる」

「俺が水泳部作ろうと言っても?」

「え?・・・それは考えちゃうな〜」

「じゃあ本当に作ろうか!」

実はちょっと前から俺はこんなことを考えてたりしたのだ!山崎さんとたくさん話して山崎さんはやっぱり水泳がものすごく好きだと知ったからだ。

「マジ?」

「マジ」

「じゃあ、やりたい」

「じゃあ、本当にやろっか」

「うんっ!すっごいうれしい!」

「・・・無理だったときのショックを考えてそんなに喜ばないで・・・」

「・・・だね」



「ダメだったらマネージャーやるから!」

「そんときはしょうがないね」

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