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第18話 熱い想い今、解き放て

「腹減った・・・何かください。朝から何も食べてないんです」


昼休み、どうも物ごいしてる俺です。高橋・加藤・増田と席を並べている。

「またかよ。三日に一度は弁当ないな、野田。プチトマトやるよ」

「高橋ありがとー!でもしょうがないじゃん、母ちゃん作ってくれねえもん」

俺の母親は極端に朝が弱く、絶対に朝は起きない。だから自分で作るしかないんだ。姉はほとんど作ってくれないし。「でもえらいよな、自分で弁当作るのって。野田のクソまずいけど」

「だって料理わかんねえもん。えらいと思うなら加藤なんかくれ!とりあえず何か口にいれたい」

増田はいつもウイダーだ。だからはじめから期待してない。

「はいプチトマト」

「ありがとー!次はジューシーのが食べたいです」

「贅沢言うんじゃねえよ!ちょっと肉木からもらってこい!」



・・・・

「肉木〜、肉くいたい!ください!」

「お肉はダメだ!絶対にやらないぞ!君にあげる分なんかこれっぽっちもないから!もう全部ツバつけたから僕だけのものだ!僕一人で楽しむものだ!」

コイツの食に対する執着心は戦時中か!?

「そ、そうか。食事中邪魔して悪かったな」

「・・・プチトマトならあげるよ」

「ありがとー」



・・・・

「遠征から帰ってきたぞ〜。ほかもいろいろまわったけどみんな申し合わせたようにプチトマトしかくれねえよ・・・」

「そりゃそうだろ、申し合わせたもん」

なんと!?

「なんでだよ高橋!そういういじわるすんなよ!」

「だって、ねぇ?加藤さん」

「ねぇ?高橋くん。しょうがないと思うよね、彼女持ちなんだもん」

・・・そうだった。このクラスの男子は彼女持ちに異常に厳しいんだ。学級委員の水野も彼女がいるということで無理矢理学級委員させられてるんだったな。あのときは俺も一緒になって水野を攻撃したっけ。

「おかずなんて山崎さんからもらえばいいじゃん」

加藤から冷たくそう言われた。

「無理だって!山崎さん、たくさんの女子と食ってるもん!恥ずかしいって!」

彼女ができたと言っても女子への苦手意識はなくなりません・・・・


「高校も給食制にすればいいのにな」

ふとそんなことを思った。

「だよな!」

「俺も同じこと思ってた!」

「シナモンパンがまたくいたい!」

「俺はだんぜんソフトメンだな。あの腰のなさすぎる麺が恋しいぜ!」

「いいね〜なつかし〜ね〜」

「給食ってマズイって言う奴結構いたけど俺はいつもそんなことないって思ってたもん!中学のときは恥ずかしくて言えなかった・・・・でも今なら言える!聞いてくれ!俺は給食が大好きだ!」

「俺もだ!」

「俺だってそうだ!むしろ俺のほうが給食を愛してる!」

「何ぃ!?おまえ表出ろや!俺かおまえ、どちらがより給食を愛してるか白黒つけようじゃあないか!」

「のぞむところだ!こいッッ!」

「何二人だけで話をすすめてるんだい?その勝負!俺も参戦させてもらう!」

「俺も行く!」

「僕を忘れてもらっちゃあこまるよ・・・やるよ!」

「おまえら!嫉妬に狂った姿は醜いぞ!教えてやるよ!俺がナンバーワンだってことをな!」

「つべこべ言ってんじゃねー!戦いたい奴ぁ外にでろー!俺が全員相手にしてやるぜェー!」「そう虚勢を張るのはよしな、膝が震えてるぜ!」

「バカヤロー!これは武者震いだ、俺の魂が自分じゃ制御できないくらい暴れてるんだよ!」

「ほう・・・何年ぶりだろうか、これほど血がたぎるのは・・・」

「俺もようやく本気を出せるときが来たようだな」

「こいやぁー!」

「「「うおおおお!」」」


なんなんだよこいつら・・・給食好きすぎだろ!しかもセリフがいちいちかっこいいな!みんな中二病じゃん!

教室に残った男子、俺と増田だけやぞ。増田は何事もなかったようにウイダー吸ってるし。ってか増田食うの遅っ!ウイダー吸いきるのにどんだけ時間かけるんだよ!全然10秒メシじゃねーじゃん!


・・・・やっぱり我慢できないッッ!

「待ってくれ!俺も参戦するぞ!」

俺は勢い良く教室を出た!

何して勝敗を決めるんだろう・・・・痛いこと疲れることはイヤだよ。

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